自己啓発、ニューソート、スピリチュアル関連文献
牧野智和『自己啓発の時代』読んだ。1990年代から2000年代にかけて、以前は不可視だった内的世界を技術的な働きかけの対象と見なそうとする「内面の技術対象化」が起こったこと、自己啓発メディアが自己をめぐる再帰性を止める基底的参照項をを示していることを明らかにしている。
自己啓発的な価値観は社会のメインストリームの一角を占めると言っても良いくらい、社会に深く浸透していると思うが、オカルト起源。スウェーデンボルグの影響を受けたニューソートという19世紀アメリカのキリスト教運動が源流。ナポレオン・ヒルのような成功哲学の本によって広まった。
ニューソートについては、日本語ではマーチン・A・ラーソン『ニューソート―その系譜と現代的意義』日本教文社、1990年しかまとまった文献がないのではないか。
H-Netの書評。
http://www.h-net.org/reviews/showrev.php?id=4351
ニューソートの流れの一つクリスチャンサイエンスを扱った論文。pdfあり。
- 島薗進『現代宗教とスピリチュアリティ 現代社会学ライブラリー 8』弘文堂、2012年
- 島薗進『精神世界のゆくえ : 宗教・近代・霊性 (スピリチュアリティ)』秋山書店、2007年
- リゼット・ゲーバルト、深澤英隆・飛鳥井雅友訳『現代日本のスピリチュアリティ : 文学・思想にみる新霊性文化』岩波書店、2013
- 櫻井義秀『カルトとスピリチュアリティ : 現代日本における「救い」と「癒し」のゆくえ』ミネルヴァ書房、2009年
ニューソートやクリスチャン・サイエンス、ニューエイジ、スピリチュアル、ホメオパシー、自己啓発などの系譜関係や相互関係などはまだちゃんと分かっていないので、暇なときにぼちぼち調べたい。