ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

海外とドイツの広島ニュース

Google News を使って、広島の原爆のニュースを探したところ、原爆投下から60周年とは言え、それほどニュース自体は多くないように見えました。やはり、日本と比べると、関心は余りないように見受けられます。

英語ニュースでは、毎日新聞やJapan Today が、積極的に日本のニュースを紹介しているように見えました。

英語ニュースでは、コーネル大学の歴史家Mark Selden 氏と、アメリカン大学のPeter Kuznick氏が、アメリカの原爆投下の目的は、日本の降伏ではなく、ソビエト連邦に対する牽制だと結論付けたというニュースが目を引きます。原爆投下の目的については、色々と論争があるらしくWikipedia でも、その概略が紹介されていました。

彼らがどのような根拠に基づきそのように結論付けたのかは分かりませんが、日本では、たいていの論者が、彼らと同様の説を採っているようなので、日本人にとっては当たり前の結論が繰り返された程度の受け取り方になるのかもしれません。とりあえず、私が見た限りでは、日本で報道された様子はありません。一方、大方のアメリカ人にとっては、余り嬉しくないニュースでしょう。

ただ、このニュースは、New Scientist で採り上げられ、他にはインドのnew Kerala くらいでしか報道されなかったようなので、ほとんど興味を引かない話題だったようです。

ちなみに、前述のWikipedia の記事で、女子供も戦争に協力していた総力戦下では、兵士と非戦闘員の区別は存在しないという、原爆による非戦闘員の殺害を容認するような意見が存在したことを知ったのですが、このような論理は、国際法上適切だと判断され得るのでしょうか?

あとは、創価学会の平和活動についてのニュースが、ドイツ語でも、英語でもありました。

あとは、テロリストに悪用されないようにと、ロス・アラモスの博物館から、広島の原爆の模型が撤去されました。ドイツでは、Die WeltSpiegel Online などの有力紙も伝えており、これが、最近では一番大きいニュースのようです。

日本のサイトでは、非常に様々なニュースが伝えられているのを見ると、やはり日本と外国では、かなり温度差があるように思えます。その日本でも、原爆への関心が低下していることが指摘されていますし、おそらく、大衆運動としても、広島、長崎の経験に基づいた平和運動は、今後退潮の一途を辿るのだろうと思います。

それでも、広島市長崎市、あるいは被爆者が、過去の体験に基づいた運動を行い続け、記憶を風化させないという意志を見せていることを見ると、彼らは、ずいぶんと重いものを引き受けざるを得なかったのだと思います。