ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

貧者の尊厳

少し前に話題になった赤木智弘さんの「『丸山眞男』をひっぱたきたい」と「続『丸山眞男』を ひっぱたきたい」」がネットで公開されていました。この文章は、社会的尊厳を得られない者が、社会的尊厳を得るためには、日本人であるという属性だけで尊厳と社会…

宗教市場理論の射程 : 世俗化論争の新たな一局面

社会学評論 Japanese sociological review, Vol.53, No.2(20020930) pp. 230-246 日本社会学会 ISSN:00215414宗教市場理論の射程 : 世俗化論争の新たな一局面 The Prospect of Theory of Religious Markets : A New Aspect in the Secularization Debate沼尻…

人間だけが言語をもっていることの不思議

「蒼龍のタワゴト」さんで紹介されていた岡ノ谷一夫さんのジュウシマツの歌文法の研究を紹介する記事を読みました。 では、どうして彼らは複雑な歌を歌うのか。小鳥が歌うのは求愛と縄張り防衛のためだが、どうもメスは複雑な歌を歌うオスを好むらしいのであ…

宗教の合理的選択理論

宗教社会学で、宗教の合理選択理論なるものがあるそうです。住家氏の批判的な論文で知ったせいもあり、彼らがクルーグマンが徹底的に馬鹿にしているというサプライサイド経済学に影響を受けていると読んだせいでもあり、アメリカローカルなバイアスが掛かり…

00年代に鬱病患者が激増

Socioarc さん経由で、おなじみの「社会実情データ図録」さんの「うつ病・躁うつ病の総患者数」に関する統計を見ました。 1996年には43.3万人であった総患者(調査日には通院しなかったが前後に通院している者を含む)は1999年には44.1万人とほぼ横ばいであ…

書評色々

Michael Mitterauer, Dimensionen des Heiligen. Annäherungen eines HistorikersFrankfurter Allgemeine Zeitung, 09.02.2001, S. 51Laß uns ein Wunder sein, ein wunderbares Wunder sein! Auch Töne, Steine und Scherben kann man auf einen Altar stel…

人文系の博士は、どうにもならないというのが現実だそうです。

また、博士に関する記事が出ていました。 若手の研究者は、仕事時間の20%を自由に使って好きな研究を――。日本物理学会(坂東昌子会長)が、こんなユニークな提言を発表する。 「20%ルール」は米企業「グーグル」などが取り入れて、社員のやる気を引き…

「回顧と展望」に見る若手研究者の問題点

「回顧と展望」では、私は中近世のドイツ史を中心に見るのですが、近代の「ドイツ・スイス・ネーデルラント」という項目に興味深い記述がありました。 近年、外国語の文書館で日本からの研究者らしき人々の姿を頻繁に目にするようになった。一次文献へのアク…

「回顧と展望」に見る歴史学の未来

日本の歴史学会で最も権威ある雑誌である「史学雑誌」は、毎年その一年の歴史学会の話題や研究を振り返る「回顧と展望」という号を刊行します。この号は、全歴史学徒必読ということで、私も必要な部分を読むのでした。 2006年の歴史学界総説昨年を振り返…

「博士」も定職が見つけられず…ポストドクター1万5000人超

大学院で博士号を取得したものの、研究機関や企業から正規採用されずに研究を続ける「ポストドクター」が、全国で1万5000人超に達したことが10日、文部科学省の調査で分かった。平成17年度中のポストドクターは1万5496人で、前年度より642…

Myth and Reality of Anabaptist/Mennonite Women

以前ご紹介した再洗礼派やメンノー派女性に関するシンポジウム「Myth and Reality of Anabaptist/Mennonite Women」のプログラムが公開されました。行けないのが、返す返すも残念でなりません。 Myth and Reality of Anabaptist/Mennonite Women Internation…

社会学と社会理論のための──『年報 社会科学基礎論研究』

社会科学基礎論研究会が発行している『年報 社会科学基礎論研究』掲載の論文の概要を、ネットで読むことが出来ます。 〈奇妙な棲み分け〉の背後へ――実証主義から現象学へ―― 張江洋直はじめに 1.実証主義と社会調査 2.実証主義パラダイムの構成 (1) 実証…

「宗教研究」の論文が無料公開

日本宗教学会が発行している学術雑誌「宗教研究」が、CiNii で無料で公開されています。そのため、読みたい論文を、pdf ファイルで気軽に読むことが出来ます。個人的には、これらの論文や報告が面白そうだと思いました。 住家 正芳「宗教社会学理論における…