ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

移動する女性

前近代社会にも、移動する人々が溢れていたことは、L. フェーブルが指摘したとおりです。(参考)Peter Ketsch によれば、都市の租税記録に、独り身の女性が継続的に出てくることは稀であり、多くの女性は食い扶持を探すためにその街を去ったり、未亡人の場…

Digitaal Vrouwenlexicon van Nederland

Els Kloekさんが指揮する「Digitaal Vrouwenlexicon van Nederland」(ネーデルラント女性事典)も、面白そうです。http://www.inghist.nl/Onderzoek/Projecten/DVNミュンスターの包囲を解くべく、ユディトとなりて司教を殺害に赴いた女傑ヒレ・ファイケンの…

Els Kloek

ユトレヒト大学のEls Kloek さんは、オランダ近世の女性史を専門にしていると言うことで、面白そうな論文を色々と書いているようです。 'The Dutch case: a critical survey of the history of childhood in the early modern age, especially in the Nether…

では、どうしたら良いのか?

羽田先生も、下田先生も、現在の実証水準は上がっているが、極度に細分化され、全体の見通しが立たない状況に対し危惧や疑問を抱いているように思います。では、何故このような細分化や視野狭窄が生じるのでしょうか?その理由は、主に教育と制度によるので…

歴史学界に対する問題提起

「回顧と展望」の「歴史理論」の項で、羽田正先生は、現在歴史学を専攻する学生数が減っており、グローバルCOEに歴史研究を主体としたプログラムがなく、歴史書の売れ行きが芳しくないと、歴史学が学生からも、行政からも、一般読書人からも魅力や社会的意義…

ビザンツ史研究の問題点

一年に一度、日本の歴史学を概観するための貴重な機会となっている「史学雑誌 第117編 第5号」の「2007年の歴史学界−回顧と展望−」ですが、今年はビザンツ中世史で重大な問題提起がされていました。 「回顧と展望」記事の執筆はきわめて重い仕事であるが、評…

宗教改革とお金の問題

Den Himmel kaufen. Heilskommerzielle Perspektiven des 14. bis 16. Jahrhunderts, in: Jahrbuch für Biblische Theologie 21 (2006)ベルント・ハムのこの論文は、贖宥状批判に関する以下の論文と合わせて、宗教改革研究者必読論文になっている予感が。Win…

男女間の争いをテーマにしたシンポジウム

Arbeitskreises Geschlechtergeschichte der Frühen Neuzeit (AKGG-FNZ)が、11月にシュトゥットガルトで男女の争いをテーマにしたシンポジウムをやるそうです。報告申し込みは終わってしまいましたが、面白そうなシンポジウムなので、ドイツ在住の方が参加…

地方は衰退する一方

ニュー速クオリティーで「地方の過疎化が止まらない・・・ 中心街ですら出店者は現れず 」というスレが紹介されていました。その中で、「人口減少下における地域経営について 〜2030年の地域経済のシミュレーション〜」という調査報告が紹介されていまし…

聖公会が分裂の危機

同性愛者の主教の叙階や同性愛者同士の結婚を祝福することに反対する保守派が、聖公会内に新たな協議会を作ろうとしているそうです。 全世界約8000万人の英国国教会(聖公会)信徒のほぼ半数を代表する『GAFCON』(グローバル・アングリカン将来会…

プロテスタント教会の統一

ザクセンとチューリンゲンのプロテスタント教会が統一するようです。この両地域は、別々の信仰告白を持っているそうですが、信徒数の減少に伴い、収入も減少しているので、いっしょになって行政コストを削減したいのだそうです。世知辛いですね。FAZ「Kirche…

「宗教と社会」学会学術大会におけるテーマ・セッション

科学と宗教の問題に関心がある人にとっては宝の山である、南山宗教文化研究所「科学・こころ・宗教」プロジェクトのブログで、「宗教と社会」学会学術大会におけるテーマ・セッションのレポートが上がっていました。「テーマセッション「日本における「科学…