ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

怠けることの大切さ

最近少々疲れがたまっているのは感じていたのですが、今日は文献を読もうとしても頭に入らず、肩も凝っているし、身体もだるいということで、余り根を詰めて勉強するのは止めて、だらだらとしていました。個人的にある程度長い間留学をするときに必要なもの…

初期資本主義への不安?

文書館でしばらく文書を読んだ後は、バーバラ・シュトルベルク−リリンガー先生のゼミに行きました。授業は、先生が、昨日ご紹介したハムの論文の重要な部分について学生に意見を求め、より論文の内容の理解を深めるというものでした。しばらくは、論文に沿っ…

おまえらは反キリストの手先だ

今日も文書館に行き、再洗礼派の審問記録を読みました。今読んでいるのは、ディオニシウス・フィンネ Dinonysius Vinne の審問記録です。彼は、いわゆる「ヴァッセンベルクの説教師」と呼ばれる、ミュンスターに流入してきた説教師の一人で、ミュンスター再…

追記:ようやく読み終わりました

超斜め読みで、ようやく読み終わりました。結論は神学的に共通な部分はあったが、ルターの影響が大きいにせよ、初期からすでに意見の対立は存在しており、多様性もあったという、折衷的な穏当なものでした。最後の方には、宗教改革直前の図像には苦しむキリ…

課題論文を読まないとなりません

今日もオランダ語の授業があり、先生の早口のオランダ語をほとんど全く理解できず、疲れて帰りました。その後遅い晩ご飯を食べ、普通なら、疲れたと食後の一休みするところですが、今日は明日のゼミの課題論文を読まなければならないのでその時間がありませ…

博士論文はいつ書けるのか?

目標では、毎日更新だったのですが、なかなか毎日は書けないものですね。ブログを書くことに慣れるためにも、軽い話題でもしばらくは毎日書いてみようかと思います。今日は、用事があって知り合いの方のところに行ったのですが、時間がわりと遅めだったので…

実際に文書を読む

私は文書館に通い始めて、まだそれほど経っていないのですが、最初の内は本当に全く解読できず、途方に暮れていました。古文書学の授業に出てから、大分ブランクがあるということもあり、勘を取り戻すのに、時間が掛かりました。しかし、家でオリジナルの史…

ノルトライン-ヴェストファーレン州立文書館はとても使いやすい

ミュンスターには、市立文書館と州立文書館がありますが、再洗礼派関係の史料は、ほとんど州立文書館にあります。再洗礼派関係の史料は、もともとミュンスター司教の文書館にあったのですが、どうもこの文書館の史料が州立文書館に移されたようで、再洗礼派…

文書館で手書き文書を読む理由

歴史学者たる者は、やはり手書きの一次史料を読みこなしてこそ一人前というイメージが私にはあるのですが、恥ずかしながら私はまだ、必ずしも十分に手書きの文書を読むことが出来るとは言えません。私もドイツに来てから、古文書読解の授業には何度か出たの…

文献探しはほぼ終了

授業の合間を縫って、比較都市史研究所や中央図書館で文献探しを続けていましたが、目的とする文献はだいたい揃いました。私が探していたのは、ミュンスター周辺の中規模都市の人口構成や社会構造についての研究なのですが、ミュンスターラントの他の中規模…

ドイツ人といっしょにオランダ語授業を受ける

私は、今後自分の研究にどうしても必要になってくるということで、半年前からオランダ語を学び始めました。オランダ語は、ドイツ語と非常に良く似た言葉ので、ドイツ語ができれば基本的には修得は難しくないと思います。ただ、私はドイツでオランダ語を学び…

比較都市史研究

あと、小ネタですが、ミュンスターの比較都市史研究所には、日本の雑誌、その名も「比較都市史研究」が置いてあります。詳しいことは聞いていませんが、何でも日本から送ってくるのだそうです。この雑誌は、目次などは英語でも表記されていますが、基本的に…

昔の家族は、どんなんだったか。

相変わらず比較都市研究所に籠もって、文献を漁り、読んでいます。私が今知りたいのは、ドイツの近世都市の人口構成、特に子供の数についてです。基本的に前近代の人口構成というのは、余り正確には分かりません。私の扱っている時代は16世紀前半なのです…

ヨーロッパでは講義を録音してはいけません。

フランスのストラスブールに留学されているid:akiko64さんのブログで、講義を録音しようとしたら、教授に無茶苦茶怒られたという話がされていました。(「un sociologueの読書日記」経由)unsociologue さんも、授業で色々な経験をされたようで、フランスの…

文献を探して、広大なネットワークに潜る日。

そろそろ新しい学期が始まるころですが、授業が本格的に始まるのは、来週からなので、まだ春休みのようなものです。とは言っても、私の目的は自分の研究にあるので、休みか休みではないかは、余り問題になりません。どちらかというと、授業がある時期の方が…

はじめの御挨拶。

みなさん、どうもはじめまして。私は、ドイツのミュンスターという都市にあるヴェストファーレン・ヴィルヘルムス・ミュンスター大学に留学している者です。私が、わざわざドイツ、それもミュンスターという小さな街にやってきたかと言うと、私の扱っている…