ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

聖礼典復興運動としての初期メソジズム

野村誠『ウェスレーの神学思想 18世紀英国民衆とメソジズム』白順社、1998年 第1章を読んでみた。ニーバーによれば、18世紀のイングランドでは、上流階級による理神論、敬虔主義、懐疑主義、合理主義が支配的で教会生活は停滞し、宗教的に疲労していた。(13…

宗教都市ラカウの創建と破壊

H. カメン著、成瀬治訳『寛容思想の系譜』平凡社、1970年、164頁に、ポーランドの反三位一体論者のグループであるソッツィーニ派が、1569年にラカウ Raków という新都市を建設し、彼らの宗教上の首都にしたと書いてあった。Kaplan, Divided by Faith, p. 255…

近世寛容論における本質的なことがらにおける一致とそれ以外のことがらの容認

H. カメン著、成瀬治訳『寛容思想の系譜』平凡社、1970年 寛容思想について扱った古い文献だが、大変勉強になる。この本の中で、エラスムス以降の寛容論で、少数の本質的なことがらで一致していれば、それ以外の様々な教義や慣行の不一致は不問にすることで…

シュヴァルツェナウの新洗礼派と再洗礼派

ハンス・シュナイダー著、芝田豊彦訳『ドイツにおけるラディカルな敬虔主義』関西大学出版会、2013年 この本によれば敬虔主義の中にも、信仰洗礼を行う新洗礼派(Church of the Brethren)という集団があったそうだ。(104-111頁)ヴィトゲンシュタイン伯領…

ウェスレー、英国国教会、敬虔主義者と東方の霊性

清水光雄『ウェスレーの救済論 西方と東方キリスト教思想の統合』教文館、2002年 神学の研究書なので、私にはきちんと理解することが難しいが、「第1章 最近のウェスレー研究動向」を読むと、この本のタイトルにあるように、近年のウェスレー神学は、カトリ…