ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

国民文化と風景

低地地方の場合は、風景の直線性は、自然条件に起因するものです。しかし、内陸部は、自然条件で言えば、隣接するドイツとほとんど変わらないはずです。にもかかわらず、国境線を跨いだだけで、風景がかなり違ってしまうと言うことは、おそらく両国の風景に…

植林された若木の並ぶ雑木林と並木

違いの二つ目ですが、オランダの農村には、先ず木が非常に少ないと言うことが挙げられます。これは何故かというと、オランダの農村には、雑木林がほとんどない、あるいはあっても非常に小さいからであり、同時に並木が少ないからです。何故雑木林が少ないの…

耕地の直線的区画

前回の文章で、オランダの低地地方では、風景の中に直線が多いことについて書きましたが、実は内陸部でも、風景の中にかなり直線が多いのです。低地地方の風景の直線性は、主に水路によるもの、つまり前回ご説明したように、元々の自然条件によって要求され…

オランダ内陸部の農村風景

しかし、面白いのは、オランダの風景は、低地地方だけでなく、内陸部でもドイツとはかなり農村の風景が違うと言うことです。見たところ、デヴェンター(Deventer)よりも内陸になると、おそらく自然条件は隣接するドイツのヴェストファーレン地方とそれほど…

日本人が、広島について外国人に語る価値のあることは何だろうか?

私は、本来は自分の研究で手一杯で、余計なことに手を出す余裕なんてないので、今回の発表も、正直なところ余り引き受けたくありませんでした。にもかかわらず、引き受けたのは、相手の強引な説得に根負けしたからと言うところもありますがが、それよりもや…

ドイツで、広島の原爆について発表する。

私の知り合いが、ミュンスターの外国人学生のための団体の会長をやっているのですが、彼から頼まれて、8月に広島の原爆投下について、口頭発表をやることになりました。この団体は、今年は広島、長崎の原爆投下から60年という事で、核兵器に反対するため…

オランダ低地地方の農村風景

ドイツとオランダは隣り合った国ですが、農村風景はずいぶんと違います。私は以前アムステルダムの空港に飛行機で飛んだとき、眼下の風景を見て、唖然としたことがあります。何故なら、アムステルダム周辺の耕地が、直線と直角ばかりの非常に人工的な構造を…

ハーレムで映画撮影に出会う。

日曜日、礼拝式が終わった後、私が街中をうろうろ歩いて回っていたのですが、この日の昼過ぎから、市内中心部の大きな広場で、映画撮影がやっていました。この映画は、韓国映画のようで、広場には韓国人スタッフが山ほどいました。現地スタッフがオランダ語…

メンノー派の礼拝式

メンノー派歴史協会の会合があったのは土曜日なので、その翌日の日曜日には10時半から礼拝式がありました。私も参加して良いとのことなので、再洗礼派の礼拝式がどのようなものなのを体験すべく、礼拝式に参加しました。先ず、ハーレムのメンノー派の教会…

メンノー派歴史協会の総会

当初は、午前中の講演だけを聞いて、その後は市内を見て回ろうかと思っていたのですが、ドイツ人グループに混じって行動しているうちに、結局成り行きで午後の総会にも出席することになってしまいました。この総会では、会計報告や様々な役員の選出が行われ…

メンノ−派歴史協会の会合

5月のオランダへの旅の最大の目的は、Mennonitischer Geschichtsverein(メンノー派歴史協会)の年一回の会合に参加することでした。この会合は5月21日に、ハーレムのメンノー派教会で行われたので、私も出席してきました。今回の会合は、大きく分けて、…

発表が終わりました。

先週の木曜に体調が悪くなってからなかなか回復せず、準備が思うように出来なかったせいで、どうなることかと思いましたが、なんとか無事間に合いました。今回の発表は、再洗礼派の結婚、家族、男女関係をテーマにしたものでした。発表の時間自体は短いので…

この国には何でもある。でも、希望だけがない。

そんな中、ドイツ語は頭が痛くて読む気がしないということで、村上龍の『希望の国のエクソダス』を読んでいました。この小説は、ドイツに来てから、何回も読み返していますが、何度読んでもリアリティーがある小説だと思います。この小説は、不況にあえぎ、…

奴隷労働者のストライキ。

昨日から急に喉が腫れ上がり、身体に力が入らなくなってしまいました。その前から、何故か妙に人恋しくなったり、妙にやる気が湧かなくなっていたので、変だなとは思っていたのですが、やはり身体の調子が悪かったようです。精神面が落ち込むときは、だいた…

ミクロフへの旅

そのため、ミクロフの歴史については良く分からないのですが、現在のミクロフがどうなっているかは、少々周辺を歩き周り、見てきました。先ず、一番の低地に駅があり、駅の前には新しくできた幹線道路が走っています。沿道にはポツポツと、飲み屋があり、ま…

ニコルスブルクへの旅

ウィーンから、電車で約二時間ほどの、オーストリアとスロバキアの国境付近に、ミクロフ(Mikulov)という小さな街があります。私が何故この街に行ったかと言えば、この街が、以前モラヴィア地方の再洗礼派の一大拠点だったからです。ミクロフは、ドイツ名ニ…