ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

久々の新しい研究

今年は、ミュンスター司教領が成立してから1200年ということで、大規模な催し物が色々と行われました。その一環で、5巻からなる大部の司教領の歴史が刊行されています。そして、その第三巻目に、我らが再洗礼派が登場しました。しかも、第三巻の一部分…

歴史学?、どうしてまた?

オランダ史研究会のサイトに、「歴史学?、どうしてまた? ―― ファン・デァ・ワウデ教授の最終講義 ――」という文章があったので、大変興味深く読みました。その中で、次のような主張がありました。 未来への視点を欠いた歴史学は、当然ながら懐古趣味か審美…

オランダ史研究会

オランダ史研究会という研究会があるそうです。オランダと言えば、メルキオール派の本場、ヨハン・マティスやヨハン・フォン・ライデンの出身地と言うことで、私にも非常に縁の深いところです。とりあえず、そろそろ本腰入れて、中世オランダ語を勉強しなけ…

先達たちは亡くなっていく

私はまだ性懲りもなく、Kühlerの使った戦闘可能男性の人数が書いてある史料を探し出したいと、悪あがきをしようとしています。とりあえずミュンスター再洗礼派の専門家に聞いても駄目、文書館に行っても駄目と言うことで、最後に残った可能性は、オランダ再…

ホワイトクリスマスはロマンティックか?

風邪は大分良くなりましたが、ミュンスターはますます寒くなり、今日ついに雪まで降りました。11月中にも関わらず、雪が堆く積もり、周りの景色は真っ白になりました。街では、すでにクリスマス市が始まっているので、ホワイトクリスマスとも言えるのです…

文書を読んでもらう

相変わらず体調は絶不調で、体は重いし、頭はぼけてるし困ります。何もできないほど酷いわけではないけど、やろうとしても身体も頭も動かないと言う、何とも煮え切らない調子です。とは言え、やるべきことはやらなければならないので、昼過ぎに重い身体を引…

デフェンターの反キリスト

でも、今日の授業の後、今度別のゼミの発表に関する本を、先生から無料でもらってしまいました。“Hermann Niebaum, Robert Peters, Eva Schütz und Timothy Sodmann (Hg.), Der Deventer Endechrist von 1524. Ein reformationsgeschichtlches Zeugnis. Teil…

風邪引いた

今週からクリスマス市が始まりました。先週辺りから、もう真冬の寒さになり、くもりや雨、霧の日が続いていたのですが、真冬の訪れと共にクリスマス市もやって来ます。一年で最も気が滅入る季節がやってくるので、何か楽しみを作り出さないと、精神的にやっ…

娼館のあった通りベアリヒ

文書館に行くついでに、ケルンの街もそれなりに見てきました。私は、これまできちんとケルンの街を見たことがなかったので、街中の教会を見て回りました。ケルンは、正直言って、ドイツの街の中でも、かなり町歩きするには向かない街です。その理由は、街中…

ケルンの文書館

Historisches Archiv der Stadt Köln (ケルン市歴史文書館)に行ってきました。ミュンスター再洗礼派研究における最重要史料であるハインリヒ・グレシュベクの目撃記録*1 のオリジナルを見るためです。この史料は、再洗礼派統治の間実際にミュンスター市内で…

ドイツの大学の国際的評価

イギリスの新聞Times が、世界の大学のランキングを発表しているようです。上位は、ハーバード、MIT、オックスフォード、ケンブリッジ、スタンフォードなど、アングロサクソンの大学がずらりと並んでいます。我が日本はと言うと、東京大学が16位に入ってい…

授業中はお静かに

低地ドイツ語の文法の授業は冬学期しかないと言うことで、今学期も授業に出ています。しかし、学生が大過ぎで、教室が満杯になり、床に座る学生もいるような状態です。この授業を取っているのは、ほとんど大学に入ったばかりの学生たちで、低地ドイツ語が学…

外国で外国人は、異なった条件の下で生きる。

私は現在日本の大学を休学し、ミュンスター大学に留学しています。私はこちらで博士号を取るつもりは無いので、大学入学の際に義務づけられているドイツ語試験(DSH)を免除してもらいました。日本人は、こちらの大学で修了する気がなければ、語学試験を免除…

子供は理由もなく走り回る。

ブリュッセルでは、毎日朝から夕方まで文書館にいたので、市内はそれほど見て回れなかったのですが、お昼時や文書館が閉まった後(4時半)などに、暇を見て、街を歩いて回りました。文書館から少し離れた丘の上には、ブリュッセルというか、ヨーロッパ最大…

ブリュッセルでの史料探しの際のメモ

ブリュッセルの国立文書館のハンガリーのマリア、あるいは外交関係の史料は、テーマと年代別に整理されています。たとえば1530-1560年のドイツ諸侯との書簡という具合です。年代の幅はまちまちで、数年の文書がまとめられている場合も、100年ぐらいの文書…