ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

受容理論

それがここでとりあげられている治癒の指輪ですが、王権が民間信仰を国王儀礼のなかに取り込んでいく、また逆に王の儀礼が民間信仰のレベルで受け止められていく、その過程にブロックは注目したのです。王権がどんな理屈を持ち出しても、それだけでは現実の…

歴史学研究会ヨーロッパ中世史・近世史合同部会6月例会

先週の土曜日に、いつもお世話になっているMSIJ で知った、早稲田大学で開かれた歴史学研究会のヨーロッパ中世史・近世史合同部会6月例会に行ってきました。この例会では、国際基督教大学の早川朝子さんが「再洗礼派ハンス・フートとアウクスブルクの『ゲマ…

トマス・モアの家族愛

帰国後エラスムスに送った手紙では、使節の仕事は好きではなく、故国に妻子を残さずにすむ聖職者でない「われわれが短い期間でも家を離れていると、われわれの心は家族を思って後ろ髪引かれる気持ちになる」と語っている。*1 家族、世帯、親族、隣人同士の感…

ヤバイ歴史学

今日は、ある出版された博士論文を読んでいました。私は、博士論文というのは、普通大変に膨大な文献と史料を使って、徹底的に緻密な論証が行われているものと思っていましたし、これまで読んできた博士論文は実際にそのようなものでした。しかし、特に名を…

後藤久『西洋住居史』彰国社

西洋住居史―石の文化と木の文化作者: 後藤久出版社/メーカー: 彰国社発売日: 2005/09/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見るヨーロッパの住居の歴史を、古代から現代まで描き出すという本です。私がヨーロッパを旅している間疑…

何故生産者は、中間業者よりも収入が少ないのか?

上記のことと関連するのですが、ずっと疑問に思っていることがあります。それは、何故生産者は、余り儲からないのに、中間業者は儲かるのかということです。これは具体的に言えば、次のようなことです。何故音楽家の収入は、レコード会社や著作権管理会社よ…

「純」音楽の作曲家はお金にならないらしい

作曲家の吉松隆さんのサイトで、芸術音楽の作曲家の収入についての話が語られていました。予想できないことはありませんが、かなり衝撃的なくらいお金にならないようなので、余りにも身も蓋もない話の連続に唖然とさせられました。とりあえず、歴史的に見て…

湿気専制国家

いったい青空を見たのはいつだろうかと思い出せないくらい、雨や曇りが続いていますが、今日も一日中雨でした。雨が降ると、湿気が凄くて、洗濯物が全く乾きません。しばらく湿気が少ないドイツに暮らしていたので、この湿気地獄は、なかなか辛いものがあり…

資料の山

今日、ようやくミュンスターの文書館から頼んでいた史料が来ました。量が多いので小包です。コピーを見たところ、わりと綺麗で、これから判読できそうな感じですが、まだ作業していないので何とも言えません。私は、今は大分マシになりましたが、昔は外国語…

市参事会対説教師

相変わらずひたすら文献を読んでいますが、その過程で、宗教改革運動における市参事会と説教師に関係について、もっと検討する必要があると思うようになってきました。ある都市で宗教改革が導入されるためには、市参事会が首を縦に振らなければなりません。…

新しき日本のソウルミュージック

今日は、大学で他の学生とピーター・バークの『歴史学と社会理論』を読み、その後は雑談し、あとは買い物と文献読みで一日が終わりました。今日は、一日中文献を読んでいたわけではないのでまだマシですが、毎日基本的に文献を読むこと以外何もやっていない…

宗教社会学

Hans-Jürgen Goertz の本を読んでいたら、Peter L. Berger が出てきたのですが、ドイツ語読みで「ベルガー」だと思っていたので、バーガーとルックマンのバーガーだとなかなか気が付きませんでした。Wikipedia等の宗教社会学関連のページ 社会学 Soziologie …

恐怖は最強のインセンティブ?

こうした犯罪(注:エンロンやワールドコムの嘘)は、それぞれとてもさまざまだけれど、一つ共通する特徴がある:これらは皆、情報の罪だ。つまり、専門家か専門家の集団が、嘘の情報をばら撒いたり本当の情報を隠したりしているものが多い。それに、それぞ…

恨めしい海外送金

ブリュッセルの文書館から、新しい史料が見つかったと連絡がありました。それを、コピーして、送ってもらわなければならないのですが、どのように送金すれば良いのか悩んでいます。郵便局の海外送金が、この春から、一律2500円になってしまったので、海…

雇用増1年で79万人 9割以上が非正社員

総務省が四半期ごとにまとめる労働力調査詳細結果の18年1〜3月期平均によると、就業者のうち、雇用者(役員を除く)は5002万人で、前年同期に比べて79万人増加した。正社員は5四半期ぶりに増加に転じたとはいえ、増加幅は7万人にとどまった。 一…

Berndt Hamm の重要だけど凄く読みにくい論文

Berndt Hamm, Von der spätmittelalterlichen reformatio zur Reformation: der Prozeß normativer Zentrierung von Religion und Gesellschaft in Deutschland, in: Archiv für Reformationsgeschichte 84, 1993, S.7-82. Einleitung: Die Interpretationsk…

留学生と交流したい人は結構多い

日本に戻ってきてから、変な感じがしたことの一つに、周りに日本人しかおらず、日本語しか話さないことです。私は、ドイツで長い間異邦人として生活しており、その感覚に慣れてしまったため、日本に帰ってきてからも、日本人よりも、街を歩いている外国人の…

本日は快晴なり。

今日は、年に何度もないような湿度の低い、爽やかな快晴の一日でした。真っ青な空が気持ち良かった!こんな日は、勉強などせず、この素晴らしい天気を堪能すべく外で楽しく遊びました、ということはなく、普通に授業に出て、余所の図書館に遠征し、必要な論…

スティーブン・D・レヴィット『ヤバい経済学』

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する作者: スティーヴン・レヴィット,スティーヴン・ダブナー,望月衛出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2006/04/28メディア: 単行本購入: 15人 クリック: 383回この商品を含むブログ (330件) を見る 最近話題…