ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ヨーロッパの貧困の歴史

文書館で相変わらず租税台帳を読み続けていますが、読んでいるうちに、色々な疑問が浮かび、確かめたいことが増えてくるので、無間地獄のようなものだと思います。Soest の市立文書館には1532年のTürkensteuer とSchatzungregister があるそうなので、こ…

不安定な文書館員の職

毎日文書館に通っていると、さすがに職員の方々にも顔を覚えられてきたり、他の利用者の方と知り合いにもなってきます。というわけで、今日は、帰りのバスの中で、良く市立文書館に来ている方と少しお話をさせていただきました。その方は、現在ある企業から…

要塞都市ヴェーゼル

先週の土曜に、下ライン地方の小都市Wesel (ヴェーゼル)に行ってきました。ヴェーゼルは、ライン川とリッペ川が合流する交通の要衝に作られた都市で、中世は、ケルンと低地地方を結ぶ中継地点として栄えたようです。近世初期までは、下ライン地方を代表する…

極右のデモはガチ

はてさて、日頃学生に刺激がないと陰口を叩かれるほど平和な街ミュンスターも、今日ばかりは一味違いました。今日は、極右の方々がデモ行進を行うということで、市内中心部のバス乗り入れが中止され、駅周辺には大量の武装した警官が配備されるなど、物々し…

市場と宗教

こちらに持ってきた網野善彦さんの『日本の歴史をよみなおす』を、読み直していました。その中で、大変興味深い記述がありました。 実際、江戸時代以降の職人の世界や商人の世界の信仰の状況について考えてみますと、鎌倉新仏教とのつながりが全体として非常…

疾走する日々

昨日は、文書館から帰ってきた後、友人たちといっしょにお茶をしました。この日の面子は全員日本人でしたが、歴史学、法学、音楽家二人という感じでした。この日は、飛び入りで来た年若い女の子が同席していたので、若者は元気で、エネルギーに満ちあふれて…

今後やることのメモ

昨日も今日も、朝から夕方まで古文書館でひたすら作業をしていました。分からないことも沢山出てくるので、なんとも煮え切らない部分もあり、悩ましいところです。後で、修正しなければ。とりあえず1591年のランベルティ市区の租税記録の引力は(一応)…

外国人として色々な人に出会う

いつものように文書館から疲れ果てて戻った後は、他の歴史学徒といっしょにお茶をしました。その方は、中産階級、地方出身で、とりたてて良い大学に行ったわけでもなかった私とは別世界に生まれ育ってきた人なので、話を聞いていると、そのような世界がこの…

あと2ページ

今日も相変わらず朝から文書館に籠もり作業をしました。先週末、重大な間違いが発覚し、膨大な直しを入れたので、本来のペースなら今日で1591年の租税記録を引力し終えるはずが、2ページ残ってしまいました。しかし、明日には新しい租税記録を読み始め…

日本車は地球にやさしい?

土日とかなりちゃんと休み、栄養のあるものを沢山食べたし、天気も良かったのに、日中も体がだるく、ことある毎に欠伸が出て、頭が全く回らない状態でした。そんなに疲れが抜けないものかとも思うのですが、明日から再び文書館なので困ったものです。今日は…

おいしい週末

今週末は旅に出ることなく、ミュンスターでのんびりしていました。平日文書館の作業で疲弊しきるので、週末は研究はお休みにして、回復に勤めました。今週末は、偶然に偶然が重なり、色々なところに食事に招待されたため、日頃の生活では考えられないような…

2/9の記述は大間違い。

2月9日の日記で、租税記録に出来てきたHenrick Hesselman について書きましたが、この記述が大間違いだったので、修正しておきます。この間書いた文章では、1582年の租税記録に出てきたHinrich Hesselman を1591年の租税記録に出来てきた指物師Hin…

楽しい夕べ

史料を読むのは基本的には楽しいのですが、手書き文書を延々と読むことは、非常に神経をすり減らせることでもあります。今日も文書館が閉まる頃には精も根も尽き果て、ぐったりとしながらバスに揺られました。しかし、今日は晩ご飯のお招きに預かっていたの…

決定的瞬間の記録

現在読んでいる1591年のランベルティ市区の人頭税の租税記録では、非常に頻繁に後からの修正が施されています。この修正は非常に興味深いものです。たとえば、旦那さんが亡くなり、その奥さんが新たに未亡人になったこと、ある親方の家で、職人が修行期…

授業も終わり。

今日で、ゼミやコロキウムも全て終わり、あとはひたすら文書館に籠もるだけとなりました。もう、お世話になった先生方にご挨拶をする時期になったというのは、どうもリアリティーがありません。文書読みや文献集め、他の研究者との連絡などなど研究関係で一…

後遺症

ハンブルクで、寒い中歩き回ったのと、歴史博物館で展示を真剣に見すぎたために、やけに疲れており、今日はほとんど何もできませんでした。最近はずっと精神と体力を如実に削る手書き文書読みを行っているので、疲労がなかなか抜けずに困っています。ここの…

ハンブルクは寒かった。

週末旅行シリーズということで、ハンブルクに行って来ました。ハンブルクと言えば、ドイツ第二の大都市にして、ハンザ同盟の中心都市と言うことで、行かないとマズイだろうと思い、重い腰を上げて行ってきました。ハンブルクの中心部は、第二次大戦の時に爆…

無駄な努力か、それとも・・・・

相変わらず市立文書館で延々と租税記録を読んでいます。私はまだ租税記録という史料の性格について十分な知識がないので、分からないことも多く、この史料をきちんと使いこなすには、まだ大分修練が必要なようです。ていうか、度量衡ややこし過ぎ!!しかし…

困ったおじいちゃんたち

今日も市立文書館で文書を読んでいました。学問のような、見返りなしに、しんどくて疲れることに携わろうというのは、よほどの物好きだからでしょうか、文書館で見る人の中には、余りお近づきになりたいと思えないような方もいらっしゃるようにお見受けしま…