ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

宗教というフォーマットは古いのだろうか。

読売新聞が、日本人の宗教心についてアンケートを取ったそうです。その結果は、予想通り宗教を信じない人、また宗教を大切だとは思わない人が大半でした。ネットだと調査方法などが分からないので(紙の新聞には詳細が出ていたのでしょうが)、信憑性の程は分かりませんが、「やっぱり、そんな感じかなあ」というような、リアリティーのある結果ではないかと思います。

この間教皇ベネディクト16世がケルンに来たとき、雑誌Spiegel は、教皇が信仰者のいないドイツにやって来るみたいな、ちょっと揶揄っぽいことを書いていましたが、ドイツでもキリスト教の衰退がはなはだしいのは確かなようです。アメリカではまだ宗教もがんばっているようですが、同様の傾向は、多かれ少なかれ、ドイツ以外のヨーロッパ諸国にも共通するのではないかと思います。

私はキリスト教の一宗派について研究しているのですが、現代だと、少なくとも資本主義先進国と言われるような国では、こういう宗教的情熱に溢れた出来事ことは起こらないだろうなと思います。

宗教というのは、何だか良く分からない世界を箱庭化し、あたかもコントロール可能なものであるように思わせるという意味で、人間個人、あるいは社会にとって非常に重要かつ、根本的なものだと思いますが、宗教というかたちでの箱庭化の仕方は、少々古びてしまったのかなと思わないことはないです。