ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

ミュンスター大学の研究環境は良くない。

私は学生寮に住んでいるのですが、昼間はうるさくてとても勉強にならないので、いつも図書館に来て勉強しています。しかし、図書館がうるさくないかというと、そういうこともありません。図書館も勉強する環境としては、余り良くありません。というのは、慢性的に人が多すぎるからです。

以前はそこまで人が多いと言うことはなかったと思うのですが、ここ半年ほどは、夏休み中でも席の大半が埋まっていることも度々、学期が始まってからは、そもそも席が全く空いていないこともたまにあるくらい人が多いです。すぐ隣に人がいると気が散りますし、私はノートパソコンを使う学生用の席に座るので、周りのパソコンのキー引力やマウスクリック音がうるさいときも多いです。

利用する人が多いと言うことは、マナーが悪い人が近くに来る可能性も高いということで、友達同士で長々おしゃべりをしている学生に、イライラさせられることが常態化しています。そのため、図書館でも余り集中できず、イライラするばかりで、一向に作業がはかどらないことも多いです。最近はイライラが常態化してきて、かなり不満が高まってきています。とは言いつつ、他に逃げ場もないので、耐えるしかありません。というか、現在もイライラしているから、イライラを発散させるために、つい愚痴ってしまっているわけです。

他の大学もおそらく似たようなものだと思いますが、ミュンスター大学の状況は、学生を施設の許容範囲以上に入学させる日本の私立大学と同じような状況にあると思います。ゼミも、Oberseminar などは知りませんが、基本的に数十人が参加し、一時間につき数人が足早に口頭発表を行うだけのものです。とにかく人が多すぎて、教室が満杯で、教室の端に椅子を並べて授業を聞く学生が大量に出るような授業も珍しくありません。

では、増大する学生を収容するよう、施設や教員数を拡充し対応することが可能かというと、現状では不可能です。現在州政府にはお金が無く、大学にもお金がありません。とにかく政府は財政難でどうやって支出を減らそうかと、そればかり問題にしている現状で、大学に回せるお金が増えるとも思えないので、当然の事ながら、状況は今後も悪化する一方ではないかと思います。

そのため、授業料導入によって財政状態を改善し、より質の高い教育を受けさせようという話になるのですが、個人的には、既存の大学の学生受け入れはすでに飽和状態にあると思うので、学生数を減らさないと、教育環境の改善は望めないのではないかと思います。幸いにも(?)、授業料導入で、大学に行きたがらない若者が出てきているようなので、授業料を今後どんどん上げて、貧しい家の出身の若者が次々に大学入学を諦めるようになれば、現在の過剰人員状態は、数年で解消されるかもしれません。

まだどうしようもなく救いようがないような状態でもないと思いますので、社会的平等の観点からも、学生をどんどんと大学に入れた方が良いのかもしれませんが、このままでは、他の国のエリート大学とますます差が付くのは、必然だろうとも思います。

また、現在ドイツに留学している学生の多くは、授業料無料という経済的負担の安さに魅力を感じて来ていると思いますが、今後授業料が導入された場合、一気に留学先としての魅力が無くなり、留学数が激減すると言うことも、考えられるのではないかと思います。