ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

ライフスタイルとしての貧困

「Armut als Lebensform "Ich will Hartz IV werden"」(ライフスタイルとしての貧困「僕ハルツ4*1になるつもり。」)

このSüddeutsche Zeitung の記事によれば、ケルン近郊の貧困地区Chorweiler のハウプトシューレに通う生徒の80%は、その後の職業訓練を受けられないと言うことです。このような貧困地区は全ドイツに数多く存在し、そこでは、自分の両親がずっと失業していて、子供は親が働いている姿を見たことがなく、子供達は無力感を学び、自分も両親と同様に、社会保障で養われることが当たり前だと思ってしまうそうです。そのため、子供達も、周りの大人と同じように、貧困層に留まるのだそうです。ここでは、貧困は、すでに一つのライフスタイル、文化になってしまっていると言うことです。

他方、貧困のために支援を受けている人の大半は、比較的すぐに立ち直るそうです。1998年から2003年の間に支援を受けた人々の3分の1は一年で、3分の2は二年で支援を頼らなくなるそうです。この間ずっと支援を受けていたのは支援を受けた者の10%に過ぎませんが、彼らはおそらく現在まで給付を受けており、彼らが上で述べたような、貧困層であるようです。

ちなみに、現在のドイツの景気は近年にない好調さで、失業者も久々に400万人を切るなど、労働市場も改善されていることも、付け加えておきます。

*1:ドイツの失業手当などの社会保障