ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

ミュンスターは世界一住みやすい街

ミュンスターは、なんと世界で一番住みやすい街だったようです。

ミュンスターは、LivCom Award というっどの街が世界で一番住みやすい街なにかを競うコンテストで、20万人から75万の部に応募した他の452の都市を押しのけて金メダルを取ってしまいました。

http://www.nationsinbloom.com/index.html

このコンテストは、環境と景観、市民の参加、歴史的遺産の保護と自足的な将来の計画という三つの基準に基づき、コンテストに応募してきた世界中の都市を審査し、賞を与えるというものです。ミュンスターは、全ての項目で最高の評価を受け、見事にナンバーワンに輝いたというわけです。これは、ドイツの都市で始めての快挙とのことでした。

ミュンスターは、ドイツでも特に有名でもない一介の地方都市で、そんな街が、こういった世界的なコンクールで優勝するというのは、少し奇妙な感じがするのでしょうか。面白かったのは、シュピーゲル・オンライン(ドイツの代表的インテリ向け週刊誌のネット版)の記事が、祝福というよりは、皮肉たっぷりに今回の快挙を伝えていたことです。

http://www.spiegel.de/panorama/0,1518,323901,00.html

この記事では、ミュンスターは、外からはプチブル的で、田舎臭い地方都市だと思われているが、ミュンスター人は、自分たちの街に対し、以前から自信たっぷりだったと書いています。ミュンスター人が自分たちの街を呼ぶときの様々な表現、司教座のある場所、大学都市、サービス業の中心、自転車乗りの拠点、緑したたるミュンスターラントのへそ・・・・や、授賞式で市長が自画自賛していたことなどが紹介され、ミュンスターの住民は高慢だということが仄めかされています。

ミュンスター人は、頑固でプライドが高い、というのは良く聞く話です。ミュンスターは、行政や銀行、保険などのサービス業で成り立っているホワイトカラーの街であり、ドイツでも3番目か4番目の規模の大学を持つ大学都市でもあります。そのため、ミュンスター人は、周辺のドルトムントなどのルール工業地帯のブルーカラーの街と比べて、自分たちは一段上であるという意識を持っているという話は、良く聞きます。

ミュンスターは北ドイツでは珍しいカトリックの街で、そのため保守的で、頑固というイメージもあるようです。シュピーゲルの記事を書いたライターも、おそらくそのようなイメージをミュンスターに対し持っており、ただでさえ高いミュンスター人の鼻が、今回の件でさらに高くなるんだろうとでも思い、面白くないと思ったのかもしれません。

ミュンスターに対する外からのイメージはともかく、ミュンスターに住んでいると、世界で一番かは分かりませんが、非常に住みやすい街であるとは思います。街中や街の周辺には緑地が沢山あり、自転車道が整備され、街並みも非常に整ってきれいです。街の規模も大きすぎず、小さすぎず手ごろですし、気候が非常に悪いという、人間の努力ではどうにもならないこと以外は、非常に良く出来た完成度の高い街だと思います。まあそれでも、結局は田舎の街で、取り立てて何もないと言えば何もない街なので、退屈と言う人もいますが、個人的には住むにはとても良い街だと思います。

ただ、観光には、全くお勧めできないですけどね。