ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

クリスマス(1) クリスマス市

Frohe Weihnachten メリークリスマス!みなさま、クリスマスをいかがお過ごしでしょうか。

日本ではクリスマスはイブと当日が賑やかになりますが、ドイツでは店も全部閉まるし、みんな家族といっしょに家に過ごしているので、恐ろしく静かです。私はキリスト教徒でも、ドイツ人でもないので、のんびりしているので、せっかくなんでミュンスターのクリスマスの様子をお伝えしようかと思います。


ミュンスターでクリスマス気分が始まるのは、11月終わり頃です。こちらでは、大きな街ではWeihnachtsmarkt クリスマス市が立ちます。ミュンスターでも、中心部の4カ所Ägidiimarkt, Roggenmarkt, Lambertikirchplatz, Rathaus-Innenhof)でクリスマス市が立ちます。

クリスマス市では、所狭しと出店が並んでいます。出店の種類は本当に様々で、ビールやGlühwein (香辛料入りの暖かいワイン)などの飲みものの出店、焼きソーセージ、フライドポテト、マッシュルームのクリーム煮、魚フライ、クレープ、Reibekuchen (すり下ろしたジャガイモを揚げた料理)などの食べ物の出店、チョコレートの出店、香辛料の出店、手作りおもちゃの出店、帽子の出店、クリスマス用品の出店、木の彫像の出店、ろうそくの出店その他諸々と、本当に色々な店があるので、見ているだけでも楽しいです。


クリスマスマルクトは、大量の電灯で飾られています。そのため、暗くなると、クリスマスマルクトの周りは、大量の灯りでキラキラと明るく光ることになります。単に出店や、クリスマスツリーに電灯がつけられるだけでなく、頭上にロープが張られ、そのロープにも大量の電灯が吊されます。


ドイツは緯度が高いので、夏と冬の日照時間の差が極端で、夏は10時頃まで明るいのに、冬は4時頃になるともう日が暮れ始めてしまいます。朝も、9時頃にようやく夜が明けるという感じなので、冬の間は非常に日照時間が短いです。さらに悪いことに、冬は夏よりも天気が悪く、どんよりと曇っている日やシトシトと小雨が降っている日ばかりで、なかなか太陽の光や青空を拝むことが出来ません。

クリスマスマルクトが始まるのは、ちょうど冬が深まり、ドイツがどんよりとした灰色の空と暗闇に覆われる時期なのは、おそらく偶然ではないかと思います。正直、毎日どんよりしていたり、一日の大半が真っ暗というのは、かなり気が滅入ります。そのため、無理矢理にでもイベントを起こし、街を飾り、なんとかこの憂鬱な冬を乗り切ろうとがんばるのでしょう。


ドイツにいると、クリスマスという一年最大のイベントが何故この時期に行われるのかということが、実感として分かります。本当に、街中に電灯でも吊して、無理矢理にでもキラキラさせでもしないと、気が滅入ってやってられないからです。そういう意味では、キリスト教の宗教的意味を除いても、ドイツのクリスマスは、単なる楽しみという以上の切実さがあると思います。

クリスマスマルクトが始まり、街が明るく彩られるようになると、町中に人があふれ出します。クリスマスマルクトの周りが人であふれ、ごったがえするのはもちろん、Salz Straße やLudgeri Straße などの目抜き通りにも、普段よりもずっと沢山の人が歩くようになります。


何故かというと、ミュンスター以外からも、大量の観光客がやってくるからです。クリスマスマルクトの時期には、宮殿前の広場には、大量の観光バスが並びます。つまり、他の街から、大量の団体旅行客がやって来ているということです。もちろん、電車や車でミュンスターにやって来る人達も多いはずですし、ミュンスター中心部は、クリスマスマルクトを中心として、人でごった返し、ますます賑やかになります。