ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

発表が終わりました。

先週の木曜に体調が悪くなってからなかなか回復せず、準備が思うように出来なかったせいで、どうなることかと思いましたが、なんとか無事間に合いました。

今回の発表は、再洗礼派の結婚、家族、男女関係をテーマにしたものでした。発表の時間自体は短いのですが、口頭発表後に事前に配った当時の史料を元にしてみんなで議論しなければならないので、この議論に関して少々心配していました。一応今回は二人組で発表ということで、事前にパートナーに議論は全部任せると言っていたのですが、正直パートナーが作ったレジュメが、かなり不安を誘う出来だったために、自分がかなり補足しないと駄目かもしれないと少々心配でした。

発表が始まるのは今週からということで、どんな感じで進むのか良く分からなかったのですが、我々の前のグル−プの発表を聞くと、史料に基づく議論の部分では、先生はほとんど口を出さず、発表者が司会役を務めていました。彼女達は、史料について他のゼミ生に質問し、他の学生の理解を促したり、重要な部分ではさらに詳しくコメントを付け加えるなど、自分たちでその場を仕切っていました。

それを見て、こんな仕切は外国人には絶対無理だと青ざめながら、それでも同じようなことができるようにと急いで質問を考え、質疑応答のシミュレーションをしていると、我々の出番がやって来ました。

発表部分は、原稿を読むだけなので特に問題はないと言いたいところですが、原稿を読んでいる途中に、その場で補足説明を入れたりすると、若干ドイツ語がアワアワした感じになってしまうので困ります。

そして、パートナーの発表も終わり、いよいよ問題の議論部分と相成りました。史料を選んだのは私と言うことで、仕方がないから、私が色々質問をしたりして、司会をしようと思っていたら、パートナーが勝手に色々喋ってくれて、他の学生も活発に発言してくれたので、私は何回かちょっと補足的なコメントをしただけで済みました。

ゼミで発言するときは、学生は結構興奮しており、普段にも増してもの凄い早口で、テンション高く、たまにアワアワしながら発言することが常です。このような状況だと、私の聞き取り能力では、議論の流れを追うだけで精一杯で、細かい部分まで理解するのはとても無理です。超高速で飛び交うコメントの嵐に口を挟むのは、なおさら無理です。

そのため、ここはコメントした方が良いかなというようなところも、申し訳ないと思いつつ、ほとんどスルーしてしまいました。幸いなことに、私のことを気遣ってのことかは分かりませんが、先生もかなりコメントして、フォローしてくださったので、私はまるで他人事のように議論を眺めていることができました。

こうして、半ば傍観者のような感じで発表は終わったのですが、上手く行ったのかそうでないのか良く分からず、なんとも手応えのない発表でした。しかし、ドイツ人同士の超高速ドイツ語による議論に参加するのは語学能力的に無理なので、これは仕方のないところです。

何はともあれ、発表が終わった後は、友人といっしょに晩ご飯を食べ、「ああ、終わった〜」という感じで、気晴らしをしました。しかし、旅と発表の準備で、ずいぶんと自分の研究が滞ってしまったので、また明日から研究に勤しもうと思う次第です。