ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

ローマ教皇の里帰り。

先週末は、ミュンスターでWeltjugendtag (世界若者の日)という催し物が行われていたので、図書館に行く前に、街中を少し歩いてみました。このお祭りが何を目的にしたものなのか私は良く知りませんが、カトリック教会が主催して、世界各地から、若者たちがドイツにやって来て、互いの親睦を深めるというような催しのようです。大学の神学部にはお金がないらしいですが、イベントには潤沢な資金がつぎ込まれるようです。

そのため、ミュンスターにも沢山の外国人がやって来て、通りを歩いていました。街中にはステージが作られコンサートが行われていたり、出店が沢山出ていたので、日頃は閑散としている日曜の街も、大いに賑やいでいました。ただ、ミュンスターは、元々世界中から来た移民や学生の住んでいる街なので、外国からのお客さんが沢山来ても、普段と余り変わりませんでした。ただ、来ているのが、小学生から高校生ぐらいまでの若者なので、それは普段と少々違っていました。ミュンスターは、長い間司教座であり続け、司教を君主として頂いてきた厳格なカトリック都市ということで、カトリックのお祭りであるWeltjugendtag にも力を入れたようで、祭は非常に盛り上がっている様子でした。

このWeltjugendtag のために来た若者たちが最終的に集まるのは、これまた古くからの大司教座都市で、ドイツのカトリックの最重要拠点だったケルンです。そして、世界中から集まった無数の若者をケルンで迎えるのは、ドイツ人として久しぶりにローマ教皇になったベネディクト16世です。このWeltjugendtag は、これまで表だった活動をしてこなかった(らしい)ベネディクト16世が、戴冠後始めてイタリアを出て、海外に赴く、しかも彼の故郷であるドイツの地を踏むということで、本来の目的とは違った意味でも注目が集まっています。

教皇は、ユダヤ人のシナゴーグを訪れたり、ドイツ大統領、首相、CDU 党首アンゲラ・メルケルなどの要人と会合を行うなど、政治方面でも活発に動くようで、彼がその際どのような発言をするかにも要注目らしいです。

おそらく、日曜のミサには、途方もない人数の人々が、教皇を目当てにやって来ることは確実で、その様子は見てみたいなと思っています。私はまだローマ教皇を見たことがないし、ドイツ人教皇の初の帰郷という歴史的イベントと言うことで、週末はケルンに行って、教皇詣ででもしようかと考えているところです。