ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

挨拶回り

火曜日:文書館で作業をするが、キリの良いところまで進みそうにないので残念。疲れがたまっているので、すぐに眠くなり、調子が出ず。

水曜日:ドイツに日本人男性が来ないのは来てもメリットがないから。女性は、何をしに来てるか分からない人も多いほど気軽に来る。日本人男性がドイツ人女性と結婚しドイツに残ることは稀だが、その逆は多い。しかし、死別や離婚後、かなりの苦境に陥ることも多々あるらしい。高齢女性、しかも外国人が職を見つけるのは難しい、あるいは可能でも低賃金だからだろう。

散々お世話になった中世低地ドイツ語のFriedel Roolfs 先生にお別れの御挨拶。研究の話はほとんどせず、ひたすら雑談。女系天皇問題など皇室の話題。以前他の文書館員の女性にも、女系天皇問題について聞かれたが、こちらの方も、日本の皇室にはご興味をお持ち下さっているよう。ハンブルク大学で60年代から刊行中の中世低地ドイツ語辞典は、完成までまだ何年もかかるそう。

こっちに来てすぐに先生の低地ドイツ語文学のゼミに参加して、私のドイツ大学生活は始まった。私が、曲がりなりにでも低地ドイツ語の史料が読めるようになったのは、先生の親切な助けのおかげで、どれだけ感謝してもしきれない。昔は私のドイツ語会話能力の欠如のため会話が上手く成り立たず、外国人課に助けを求めろと言われたこともあったが、今は普通に歓談できることに、隔世の感を覚える。

あとは、雑用、そして延々とコピー。紙の束にうんざり。これを全て日本に送らねばならないと思うと憂鬱になる。

晩は会合で、ドイツ語でも英語の単語をドイツ語的に使うこと(例えば、gedownloaded)、官僚の使うおかしな表現(車を、Auto ではなくKraftfahrzeug と呼ぶ)について話す。ドイツでは、人文系の博士号取得者も、理系の博士号取得者と同様に、企業に就職が可能であるとのこと。日本では、博士号は就職の際にほとんど価値がない、あるいはマイナスの価値を帯びることを考えると大きな違い。久々にクルド人の友人と会う。