ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

フランスやドイツの過労自殺

「南ドイツ新聞」のサイトを見ていたら、ドイツの過労自殺についての記事がありました。「Überlastung im Job. "Die Arbeit hat ihn umgebracht" (過労。「仕事が彼を殺したんだ!」)

この記事によれば、フランスで連鎖的な過労自殺が起こり社会を揺るがしたが、ドイツでもこの問題は人事ではないそうです。ドイツでは、過労自殺の問題はタブーのようで、実態も把握されていないと言うことです。しかし、過重労働のためにうつ病などの病気になる人は激増しているそうです。

日本でも、失業者や非正規労働者が激増する一方、正社員の仕事の負担が激増しており、精神的プレッシャーや過労のためうつ病になったり、自殺する人は増えております。特に働き盛りの30代のうつ病が増大していることは、NHKでも特番が作られるなど、社会的問題として認知されてきていると思います。程度には大きな差があれ、この傾向は、おそらく先進国全般に当てはまることなのでしょう。

先進国の経済はこの100年で途方もない成長を遂げ、社会全体としては途方もなく豊かになったわけですが、同時に多くの人々が精神的に追いつめられ、病むことが社会や経済を維持するために欠かせないような社会にもなったというのは、なかなかの皮肉だと思います。

なお、フランスの過労自殺については、日本でも報道がされたようで、色々なところで紹介されていました。特に「PAGES D'ECRITURE」さんでは、詳細にフランスでの報道が採り上げられていました。