ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

聖公会が分裂の危機

同性愛者の主教の叙階や同性愛者同士の結婚を祝福することに反対する保守派が、聖公会内に新たな協議会を作ろうとしているそうです。

全世界約8000万人の英国国教会聖公会)信徒のほぼ半数を代表する『GAFCON』(グローバル・アングリカン将来会議)運動と呼ばれる保守派が、6月22日から29日までエルサレムで集会、最終日に声明と『エルサレム宣言』を発表した。

会議は保守派の首座主教たちに、宣言に沿って「教会の中の教会」とも言える協議会の結成を呼び掛けた。ただ「アングリカニズム」(英国国教会主義)から完全な離脱、分裂をするものではなく、信仰の基盤を守ろうとしているだけだとしており、カンタベリー大主教との関係は否定せず、世界聖公会共同体の交わりの中に留まるものとしている。

世界キリスト教情報

このような動きに対し、カンタベリー大司教が批判を加えたそうですが*1、このような理屈では解決できない問題をどうにかするのは、大変そうだと思います。同性愛や妊娠中絶など性に関わる問題は、かくも人の頭に血を上らせるということで、人間の世界観の根幹や実存の関わる問題なのだと実感します。