Shorebirdさんで、社会科学に対する挑戦の書が紹介されていた
詳細な読書ノートをブログ上で掲載してらっしゃるid:shorebirdさんですが、今度はJerome H. Barkowの『Missing the Revolution: Darwinism For Social Scientists』の読書ノートを始めるようです。この本は、進化生物学者から社会科学者に対し、進化生物学の成果をふまえて研究するよう提言するような本であるようです。
バーコーはヒトに関する科学が現在盛んになっているがダーウィン革命をふまえていないものが大半だとまず切って捨てる.現在の社会科学が取り扱っているのは平等,権力,マイノリティ,女性,グローバル化,社会アイデンティティなどだが,いまや人類学の「文化」社会学の「経験主義」というコアな概念は疑問をもたれ始めている.社会構築物は実体ではなく合意の上に構築されたものだという理解が広がっているというのだ.そして社会科学者は「解釈学」「視点 gazes」「ナレイティブ」「論説」「テキスト」などのジャーゴンを使っているが,ダーウィン革命に関して理解できていないという.だから本書の題は「Missing the Revolution」ということだ.
デネットの『ダーウィンの危険な思想』の「万能酸」の記述を読んだときも感じたのですが、歴史学を含めた社会科学を研究する者も、進化生物学と自らの研究がどのような関係にあるのかを、そろそろ真剣に考えなければならない時代が近づきつつあるのかもしれませんね。
(参照)Google Book
Missing The Revolution: Darwinism For Social Scientists
- 作者: Jerome H. Barkow
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr on Demand
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: ハードカバー
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