ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

初期日本の宗教改革関連文献

踊共二氏の報告“Reformation Studies in Japan: Past and Present”(「日本の宗教改革研究:過去と現在」)では、初期の日本の宗教改革研究が紹介されていた。

日本最初のルターの伝記は、1876年に中村正直がはじめて書いたそうだ。

1909年に日本で最初の宗教改革に関する研究書が出た。村田勤の『宗教改革史』だ。この本ではドイツ、スカンジナヴィア、スイス、フランス、オランダ、スコットランドイングランド宗教改革に対抗宗教改革、さらには再洗礼派も紹介しているそうだ。この本は、近代デジタルライブラリーGoogle Booksで読むことができる。
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/824518
https://books.google.co.jp/books?id=C6nwjeXWq-cC&printsec=frontcover&dq=inauthor:%22%E6%9D%91%E7%94%B0%E5%8B%A4%22&hl=ja&sa=X&ei=L9OXVdmqD4iA8gWw1YLoCg&ved=0CCYQ6AEwAQ#v=onepage&q&f=false

日本の初期宗教改革研究については、徳善和義「日本におけるルター研究」『日本の神学』 (6), 75-81, 1967 に詳しい。日本初の中村正直によるルターの伝記は文芸社文芸雑誌第四号に掲載された数頁の記事だそうだ。1888年には加藤覚の『まるてん るーてる伝』、1901年には村田勤『ルーテル伝』が出ている。内村鑑三も「聖書の研究」に「ルーテル伝講話」を連載したそうだ。
http://ci.nii.ac.jp/naid/130001052135