ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

無駄とまではいかないが、それに近い努力

とりあえず一度手書き文書をアルファベットに直したものの、間違いだらけに決まっているので、もう一度見直しています。結局もう一度手書き文書を読み直しているようなものなので、見直しとは言っても、凄く時間が掛かります。

すでにアルファベットはほぼ判別できるようになりましたが、上の行の文字が下の行の文字に重なったり、i, u, v, n , m, などが連続しているときは、個々のアルファベットは判別ができません。a, e, o, r, c, t とか、l, d, e, s あたりも、判別が難しい場合があります。やはり、単語力がないと、手書き文書の読解には限界があります。

また、オランダ語ですし、知らない単語ばかりですし、文の構成が非常に適当で、文と文の境目がはっきりしないため、内容もほんとうに大雑把にしか分かりません。中世オランダ語辞典や中世低地ドイツ語辞典を引いても出てこない単語ばかりなので(この時代だと、単語のスペルはまだ安定していません)、どうすれば正確に理解できるのだろうと途方に暮れます。

内容に関しては、私にとって意味のある新発見は余りなく、正直今後の論文でも、ほとんど使わないだろうと思います。そのため、掛けた労力や時間、お金を考慮に入れると、全く割が合いません。

古文書読解の実戦訓練だと思えば良いのかもしれませんが、文書が変われば、また字体が変わるため、一からおぼえ直しに近いですし、ちょっと切ないです。