ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

「Mädchen am Sonntag」

今日は相変わらず気温は低いものの、素晴らしい天気でした。最近晴れが多いので嬉しいです。太陽の光が着実に強くなっているのを感じます。

こんな素晴らしい天気の日に私が何をやっていたかというと、法学部図書館で勉強をしていました。日曜日に開いている図書館はここだけということで、無茶苦茶込み合うので、非常に不快的でストレスが溜まりました。

夕方からは、Cinema というミュンスター唯一のミニシアターで、「Mädchen am Sonntag」(日曜日の女の子たち)という映画を観てきました。この映画は、99Euro-Films 制作のインディペンデント映画です。もっと言えば、この映画は、フィルムではなくビデオで撮られており、劇場でも、プロジェクターで上映されていたので、メディア的には、映画ではなく、ビデオ作品と言った方が正確かもしれません。

この映画は、4人の若い女優に、彼女達の仕事について好き勝手に話してもらうというドキュメンタリーです。そのため、若干のイメージカット以外は、ほとんど彼女達が、カメラの前でしゃべっているだけです。

この4人の女優は、Laura Tonke、Katharina Schüttler、Inga Birkenfeld、Nicolette Krebitzです。何やら映画賞を取っている人もいるらしいので、日本でも御存知の方もいらっしゃるかもしれません。

一応単調になり過ぎないように、インタビューの舞台や衣装を様々に変えるなどしていますが、基本的には話しているところを撮っているだけなので、非常に単調な映画です。

映像は、家庭用のデジカムで撮ったようで、画質が非常に悪く、画面にゴーストが映るなど、メジャー映画では想像も付かない映像の連発でした。綺麗な風景を撮っていても、発色が悪く、解像度が低いので、余り綺麗に見えません。そのため、綺麗な風景を撮るにも、ずいぶんと技術がいることが良く分かります。

カメラは、全編手持ちで、カメラ台は(多分)一切使っていないので、基本的に映像はいつも揺れています。また、頭が切れるくらいのアップが多いです。このような撮り方は、被写体の表情や動きを生々しく伝えるために採られていると解釈することもできますが、基本的には面倒を省くためではないかと思います。手持ちカメラのため、終始画面がずっと動いているので、不安定で、落ち着かない感じを受けます。

このように、低予算映画らしく、技術的には大変低い映画ですが、主役である4人の女優は、生々しく撮れていたと思います。というか、この映画の4人を見ると、本当にそこらへんにいそうな、若いドイツ女性としか言いようがありません。

おそらく、インタビュアーが上手かったのでしょう、彼女達は、かなりの勢いを持って、語りまくっています。彼女達は、話して興奮してくると、やたらと身ぶり手振りが大きくなるところや、表情が大袈裟になるところ、そしてしゃべる速度が上がり、言葉につっかかる頻度が増えていきます。

というか、彼女達は女優なのに、全然そのことを気にしてしゃべっているように見えなかったところは興味深いです。かわいらしい猫なで声や、表情など全く見せず、あたかも友達と話しているかのような、ぞんざいさな声や表情で話していました。もし、事前に女優だと知らなかったら、そこらへんの素人のインタビューだと思うぐらいの自然さでした。

しかし、残念ながら、こんな具合なので、一番大事な話の内容は、十分理解できませんでした。彼女達が話すような、ブロークンな口調のドイツ語を聞き取るのは、私にはまだ難しく、超早口の若者口調でのインタビューは良く分かりませんでした。話がどこに飛ぶか分からない、文法的にもブロ−クンな日常会話は、実は学問的な会話より、ずっと難しいです。

インガ・ヴィルケンフェルトが、セクシーとか、男を誘うような態度を取るのは絶対嫌と言っていたり、ニコレッテ・クレヴィッツが、セックスシーンとか絶対演じられないと言っていたのは覚えているのですが、ほんとしょーもないとこばかり聞き取れて情けないです。

というわけで、彼女達が何を考えているかという重要な部分については良く分からずガックリでしたが、インタビューというのは、面白いなと思いました。そのうち、自分でもやってみたい、やるとしたらどういう質問をしたら面白いだろうかと、そんなことを考えながら見ていました。