ヤバイ歴史学
今日は、ある出版された博士論文を読んでいました。私は、博士論文というのは、普通大変に膨大な文献と史料を使って、徹底的に緻密な論証が行われているものと思っていましたし、これまで読んできた博士論文は実際にそのようなものでした。しかし、特に名を秘しますが、今日読んだ研究は、使われている文献数も少なく、一次史料はほとんど使われていないという、未だかつて読んだことがないようなものでした。中には、一節の註のほとんどがある一つの二次文献によって占められているという、恐ろしい部分もありました。要約ではないのかという。
私は、このような研究を見るのは初めてだったので、読んでいてかなりショックを受けました。そして、何故この研究が博士論文の審査を通ったのか、不思議に思いました。二次文献以外ほとんど使わなくても、分析が立派なら審査に通るのかもしれませんが、どうも釈然としません。
一応全部読んだのですが、個人的には、怖くて参考文献として使う気になれません。そのため、最後まで読み終わった後、これを読むのに費やした今日一日は何だったのだろうと、少々虚しさを感じました。