ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

トマス・モアの家族愛

帰国後エラスムスに送った手紙では、使節の仕事は好きではなく、故国に妻子を残さずにすむ聖職者でない「われわれが短い期間でも家を離れていると、われわれの心は家族を思って後ろ髪引かれる気持ちになる」と語っている。*1

家族、世帯、親族、隣人同士の感情的な結びつきのあり方を検討することは、今後の研究の進展を考えると不可欠。

*1:田村秀夫『ユートウピアと千年王国 思想史的研究』中央大学出版会、1998年、100頁