ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

米ルーテル教会、再洗礼派迫害を陳謝

ルーテル教会、再洗礼派迫害を陳謝
2006年11月21日 12時17分

 16世紀の欧州でルター派が再洗礼派を迫害したことについて、米国福音ルーテル教会(ELCA)が20日(現地時間)、公式声明の中で謝罪した。世界教会協議会発行の「エキュメニカル・ニュース・インターナショナル(ENI)」が伝えた。

 同教会は理事会で声明を承認。ENIによると、ECLAは「過去の宗教論争の中で再洗礼派を襲った迫害と苦難について、深く、永続的な悲しみと後悔の念を表明する」と宣言した。

 再洗礼派は、20世紀に入って再評価され、現在ではメノナイト、ブレザレン、アーミッシュが同派の流れを汲み、福音派の潮流のひとつと理解されている。

高柳泉 (クリスチャン・トゥデイ)

我らが再洗礼派は、たいていの国で信仰の自由が存在する現在は、違法でもなんでもありませんが*1、19世紀までは、度々迫害を受けました。アメリカと言えば、現在世界で最も多くの再洗礼派が住んでいる場所ですが、もしかすると、すでにエキュメニカルな流れの中で、ルーテル派とメノー派やフッター派も関わりがあるのかも知れません。かつて、『殉教者の鏡』という、再洗礼派殉教者に関する分厚い本が出版されたほど、再洗礼派の殉教者は多かったわけですが、それも、今は昔というわけです。

キリスト教的には、もうすぐ教皇ベネディクト16世のトルコ訪問という大イベントが控えているので、そちらも注意していきたいものです。

*1:ただし、現在でも、徴兵制がある国では、兵役拒否で投獄されるということは、ありうるのでしょうが。