ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

中世末のドイツ都市の娼婦の人数

田中俊之「中世末期ドイツ都市共同体と周縁集団−娼婦の存在形態を中心に」(前川和也編著『ステイタスと職業―社会はどのように編成されていたか―』ミネルヴァ書房、338-361頁)に、Schuster による*1中世末ドイツ都市の娼婦の人数が紹介されていました。(350頁)

  • Nürnberg (1492): 85-91人 (人口23000人の0.37-0.4%)
  • Straßburg (1469): 70人 (人口18000人の0.39%)
  • Frankfurt (1479): 39人 (人口9000人の0.43%)
  • Regensburg (1465?): 78-90人 (人口12000人の0.65-0.75%)

娼婦の人口比が、案外収束しているのが面白いです。この人数を多いと見るか、少ないと見るかは私には良く分かりません。人口規模からするとミュンスターの娼婦数も、フランクフルトと同じぐらいで40人くらいだったと推定できます。

*1:Peter Schuster: Das Frauenhaus. Städtische Bordelle in Deutschland (1350-1600). Schöningh, Paderborn 1992.