ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

ノルトライン-ヴェストファーレン州立文書館はとても使いやすい

ミュンスターには、市立文書館と州立文書館がありますが、再洗礼派関係の史料は、ほとんど州立文書館にあります。再洗礼派関係の史料は、もともとミュンスター司教の文書館にあったのですが、どうもこの文書館の史料が州立文書館に移されたようで、再洗礼派の審問記録も州立の文書館に保管されています。

他の文書館は使ったことがないので分かりませんが、州立文書館の利用は、非常に簡単です。最初に名前や住所、所属などを書き、文書の損傷などに気を付けるという請願書を提出すれば、すぐに所蔵の文書を見ることが出来ます。学生や研究者だけではなく、一般の市民も同様に利用できるようです。

国によっては、文書館で文書を見る時に、結構面倒なこともあると、風の噂で聞かないことはありませんが、ミュンスターの州立文書館ではそういうことは全くありません。

あとは、見たい史料をリクエストすれば、10分後ぐらいに職員の方が文書を持ってきてくれて、自由に使うことが出来ます。

私が使っている文書は、手紙や審問記録など様々な文書が束になって重ねられ、厚紙が出来た表紙に挟んである状態でやってきます。中には印章が付いた手紙などもあるのですが、それらもいっしょに重ねられているので、たまに古くなって砕けた蝋の欠片がポロポロ落ちてくることもあります。500年ぐらい前の貴重な文書を、こんなに無造作に重ねていても良いものかと思うくらいです。

個々の文書には番号が振ってあり、その番号を見て、その無造作に重ねられた紙の束から、目当ての史料を探し出します。

何しろもの凄く昔の史料なだけに、非常に貴重なので、扱うときには非常に緊張します。しかし、目の前にこういった大昔の文書が山と積まれ、その中に何時間もいると、特にありがたみも感じなくなってくるので、慣れとは恐ろしいものだと思います。