ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

外から、日本の大学はこう見える。

Krämer, Hans Martin, Zwischen Abgeschlossenheit und Offenheit: Hochschulsystem und Geschichtsforschung in Japan, in: Zeitschrift für Geschchtswissenschaft 52, 2004, 881-885. (「閉鎖性と開放性の間で:日本の大学システムと歴史学研究」)

何気なくZeitschrift für Geschichtswissenschaft (「歴史学雑誌」)を読んでいたら、日本の大学システム、特に歴史学について書いた短い文章があったので、ついつい読んでしまいました。

著者のクレーマー氏は、東京大学にも留学していた日本学の研究者で、ルール大学ボッフムでアメリカ占領期の日本の大学システムについて博士論文を書いたそうです。

日本に滞在していたと言うこともあって、上手く日本の大学や歴史学の特徴をまとめていると思いました。やはり外からの視点だなというところもところどころあり、面白かったです。たとえば、いきなり冒頭で、日本の大学は高い壁に囲まれ、門からでないと入れないようになっているし、図書館も関係者しか使えないと、日本の大学の閉鎖性を指摘しており、私は思わず笑ってしまいました。

この方は、日本の代表的歴史学雑誌である「歴史学研究」「歴史評論」「史学雑誌」のうち前者二つはマルクス主義に影響された雑誌だと指摘したり、大学の紀要にはレベルの低い論文が載ることも多いが、その価値は馬鹿に出来ないと述べるなど、かなり突っ込んで日本の大学の制度を調べたようでした。

全体的に、日本の大学制度については肯定的な感じで記述がされていました。この文章は、日本で翻訳などはされていないのでしょうか?