日本西洋史学会第56回大会一日目
千葉大学で日本西洋史学会があったので、私も行ってきました。日本西洋史学会は、日本の西洋史関係の学会としては最も規模の大きなものであり、西洋史業界では、一年で最大のイベントと申し上げてよろしいかと思います。
このブログを読んでいる方の中でも、学会なるものがどんなものなのか知らない方も多いと思いますので、西洋史学会はこんな感じだというものを、ご紹介しようかと思います。
例年学会は、二日に渡って行われます。一日目は、公開講演や総会、そして懇親会があり、二日目は古代、中世、近世、近代、現代史などの部会に分かれての報告と、午前、午後一つずつ小シンポジウムが開催されます。
そのため、学会には大きく分けて、三つの役割を見出すことができるだろうと思います。
一つ目は、アクチュアルなテーマを共有することです。これは、公開講演、小シンポジウムによって担われています。日頃は、個々の西洋史学者は、バラバラのテーマを扱っているわけですが、シンポジウムで新しい視点やテーマ、方法論などを知り、共同の問題意識、あるいは知識を身につけることができます。やはり、西洋史業界にも、流行り廃りはあるもので、そのような時流を感じるために、学会は大いに役立つだろうと思います。
二つ目は、研究者間の交流です。日頃は、全国津々浦々に居住している研究者も、年に一度は学会に出てきて、お互いに顔を合わせることになります。特に懇親会では、飲み食いをしながらの歓談を行うということで、より個人的な関係を作りやすくなっています。やはり、人間関係というのは、あらゆる場面で大きな役割を果たすものですので、色々な研究者と交流する機会があるというのは、特に地方在住者にとってはありがたいものだと思います。
三つ目は、若手研究者の発表の場として役割です。時代別の部会で発表を行うのは、ほとんど大学院の博士課程の学生や、ポスドクなどの若手研究者です。まだ、名前も知られておらず、実績も少ない若手が、学会で発表することで、他の研究者に認知してもらい、また実績を積んでいくわけです。
という感じの役割を、学会は、果たしているわけですが、では実際にどんなものなのか、レポしてみようと思います。