ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

人類の格差を考察した『銃・病原菌・鉄』の著者に聞く(上)(下)

Wired で、ジャレド・ダイアモンドのインタビューがありました。

WN:現在、さまざまな角度から研究をまとめていく研究者が増えているようですが。

ダイアモンド氏:一部の分野ではそうしたことを試みている学者もいる。ただし、私が『銃・病原菌・鉄』で行なったほどに横断的な論議はまれではないかと思う。私の専門家としての基礎は、科学者として歴史に関心を向けているというところにある。そのため、遺伝学や生理学、動物行動学、各種言語に関する研究という分野の専門知識を習得してきた。

 歴史家は、公文書館に行って記録文書を調べる訓練は受けているが、豚のDNA鑑定の仕方は習っていない。だが、豚のDNAは人類の歴史の理解には重要なのだ。

これは、言うは易く行うのは難しの典型ですね。複数の専門知識を習得するのは、これだけ各専門分野の研究が高度化した現在、極めて難しいと思います。私も、本当はもっと他の社会科学や自然科学の方法論や知識を身に付けなければと思っているのですが、能力も努力も足りず、全然できていません。

しかし、歴史学は、他の専門分野にもっと貢献しないとまずいなあと思いますし、逆に他の他の専門分野から学ばなければならない、あるいは相互の知識を接合しないとならないとも思います。各専門分野の知識がバラバラに散在したままでは、群盲象を評すになりますので、誰かが総合しないとならないと思いますが、そのような作業は凡人ではなく、天才にやっていただくほかないのかもしれませんね。