ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

2005-07-10から1日間の記事一覧

字幕担当者は、独和辞典を持っていないらしい(4)

また、『キング・フォー・バーニング』を見ていて気になったのは、字幕のキリスト教関係の用語が、全部間違っていることでした。一番根本的な間違いは、Bischof あるいはFürstbischof を、「枢機卿」と訳していたことです。実際には、Bischof は、普通「司教…

ドラマ中の非現実的描写(3)

また、この映画の問題は、非現実的な描写が余りにも多いところにもあります。たとえば、預言者ヤン・マティスが死んだ後、傭兵が市門の扉に彼の首を張り付けるというシーンがありますが、あれほど簡単に堀を超え、橋を渡り、扉まで来れるなら、ミュンスター…

『キング・フォー・バーニング』は歴史物ではなく、ファンタジー(2)

私は、ミュンスター再洗礼派を扱ったドラマ『キング・フォー・バーニング』を見ている間、正直かなり複雑な心境でした。このドラマは、私の研究している対象を扱っているため、どうしても、事実関係の間違いや脚色が気になってしまって、楽しんで見ることが…