ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

ミュンスター再洗礼派

ルーサー・ブリセット『Q』リンク集

ルーサー・ブリセット著、さとうななこ訳『Q 上』東京創元社、2014年 ルーサー・ブリセット著、さとうななこ訳『Q 下』東京創元社、2014年 今年日本で邦訳された『Q』は、イタリアの匿名集団が無名のサッカー選手の名前を使って書いた長編歴史小説だ。イタリ…

公開講演会「近世・近代ヨーロッパにおけるキリスト教の革新と新展開」9月27日(土)14時〜

9月27日に仙台の公開講演会でお話させていただけることになりました。無料ですので、ご関心ある方はぜひお越し下さい。公開講演会「近世・近代ヨーロッパにおけるキリスト教の革新と新展開」日時 2014年9月27日(土)14:00 〜 16:00 会場 東北大学川内キャ…

ヘーゲルがミュンスター再洗礼派はファナティストだと言ってたそうです。

今日は休みにしたので、以下の論文を読んだ。ちなみに無料でpdfをダウンロードできます。 神山伸弘「宗教的ファナティズムの非インド的想定 : ヘーゲル『法の哲学』第五節とミュンスター再洗礼派王国―」『跡見学園女子大学人文学フォーラム』12、2014年、52-…

永本哲也「 1534年2月下ライン地方における宗教改革思想・再洗礼主義の伝播 〜ヤコブ・フォン・オッセンブルクによるミュンスター再洗礼派の宣教分析を通じて〜」紹介

今年、永本哲也「1534年2月下ライン地方における宗教改革思想・再洗礼主義の伝播 〜ヤコブ・フォン・オッセンブルクによるミュンスター再洗礼派の宣教分析を通じて〜」という論文を『エクフラシス』3、2013年(161-177頁)に掲載していただきました。論文が…

2012年4月15日 第12回再洗礼派勉強会 於:早稲田大学

日時:2012年4月15日(日)13時〜 場所:早稲田大学早稲田キャンパス14号館804会議室 地図:http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html 内容予定 ・読書会:「モラヴィアとシュレジアの再洗礼派」 Chapter Five. Martin Rothkegel, Anabaptism in…

WAQWAQプロジェクトの執筆コンテスト加筆部門で1位になりました。

先日私がアップした Wikipedia の記事「ミュンスターの反乱」は、next49さんが主催した、専門家がWikipediaの記事を充実させるための「WAQWAQプロジェクト」に参加するために書いたものでした。このWAQWAQプロジェクトには、執筆コンテストというものがあり…

博士論文紹介「1525-1534年ミュンスター宗教改革・再洗礼派運動 〜都市社会運動の総体把握の試み〜」

博士論文紹介「1525-1534年ミュンスター宗教改革・再洗礼派運動 〜都市社会運動の総体把握の試み〜」 私は昨年度東北大学大学院に博士論文を提出し、博士号をいただいたのですが、この博士論文について、少し紹介させていただきたいと思います。 課題この論…

第10 回再洗礼派勉強会のお知らせ

日時:7月31日(日曜日) 13時〜19時 場所:早稲田大学早稲田キャンパス 14号館 第804会議室 地図:http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html 内容予定 研究報告:山本大丙「愛の家について」 研究報告:高津秀之「狼男について」 読書会:John D.…

(3/14:延期いたします)第10回再洗礼派勉強会のお知らせ

(3/14追記)先日起こった大震災、及び本日から始まった計画停電により交通機関による移動に混乱が生じており、参加者の方々の安全確保が難しいため、第10回再洗礼派勉強会は延期することを決定いたしました。次回の日程は、状況が落ちついた頃に、再度ご報…

永本哲也「ミュンスター宗教改革運動における市参事会の教会政策」紹介

先日発売された「歴史学研究」の2011年2月号に、拙稿「ミュンスター宗教改革運動における市参事会の教会政策 −1525-34年市内外諸勢力との交渉分析を通じて−」が掲載されました。できるだけ多くの方に読んでいただきたいので、簡単に内容を紹介させていただき…

12月19日 (日) 第9回再洗礼派勉強会

今年最後の再洗礼派勉強会が、12月19日 (日) に開催されます。踊先生による、スイス再洗礼派の教義が確立された秘境シュライトハイムについてのレポートがあるそうですし、読書会ではスイス再洗礼派の章を読むので、スイス好きにはたまらない回になると思い…

9月7日(火)第8回再洗礼派勉強会開催のお知らせ

9月7日の14時から第8回再洗礼派勉強会を開催します。今回は前回に引き続き読書会の一つのハイライトになるであろう心霊主義者の章のヴァレンティン・ヴァイゲルとD. V. コールンヘルトに関する部分を読みます。徹底的に内面的信仰を重視し、党派性を拒否し…

第七回再洗礼派勉強会開催のお知らせ

3月21日の14時から第七回再洗礼派勉強会を開催します。今回は読書会の一つのハイライトになるであろう16世紀を代表する心霊主義者シュヴァンクフェルトとセバスチアン・フランクの章を読みます。徹底的に内面的信仰を重視し、党派制を拒否し、宗派を形成しな…

1月30日(土)宗教改革史研究会

1月30日に宗教改革研究会が開催されますので、皆様奮ってご参加下さい。詳細は「続きを読む」をクリックして下さい。

第六回再洗礼派勉強会開催のお知らせ

第六回目の再洗礼派勉強会を12月18日金曜日に開催します。今回は、近世フランスのナショナリスト的千年王国主義者イザーク・ラ・ペレールを中心に、ヨーロッパ近世、ナショナリズム、千年王国主義の関係を扱う会になります。再洗礼派とは直接的に関係ないよ…

近世の終末論に関する文献

9月5日に行った再洗礼派勉強会は、また例の如く非常に面白かったのですが、打ち上げの席で近世にはメルキオール・ホフマンやベルンハルト・ロートマンの終末論の影響を引き継いだ思想家が数多くおり、しかも「新しきエルサレム」が国家となって地上に実現す…

9/5 第五回再洗礼派勉強会開催

来月9月5日土曜日に第五回の再洗礼派勉強会を開催します。関心がある方は是非ともご参加下さい。再洗礼派の専門家だけでなく、ヨーロッパ近世に関心のある方なら面白く感じられる会になると思います。

ノルトライン−ヴェストファーレン州文書館での再洗礼派関連文書

「Archive in NRW」でノルトライン−ヴェストファーレン州にある文書館の史料を検索することができます。全ての文書館の全ての文書が検索対象になっているわけではないようですが、参考になります。「Wiedertäufer」で検索すると53件出てきます。

Samme Zijlstra: Om de ware gemeente en de oude gronden の書評

Nicole Grochowinaが「Sehe Punkt」でSamme ZijlstraのOm de ware gemeente en de oude gronden の書評を書いていました。この本はオランダ再洗礼派の重要な通史なので参考になります。http://sehepunkte.de/2002/01/2905.html

Grenzen des Täufertums / Boundaries of Anabaptism

2006年に行われた再洗礼派の大規模なシンポジウムが、ようやく論文集として公刊されるようです。目次が分からないのですが、これは再洗礼派研究者なら要チェックの一冊になっていそうです。 ANSELM SCHUBERT (HRSG.), ASTRID VON SCHLACHTA (HRSG.), MICHAEL…

Dr. Henk Bakker, Die Eschatologie der Münsterschen Täufer

これ聞けないのは、超残念です。論文で発表してくれないかなあ。 Die Geschichte der Stadt Münster ist zutiefst mit der Bewegung der sogenannten ‘Wiedertäufer’ verbunden. Aber was wollten die Täufer in Münster? Welche Ideen trieben sie an? Dies…

第四回再洗礼派勉強会のお知らせ

3月8日に第四回再洗礼派勉強会を開催しますので、お知らせします。 第四回再洗礼派勉強会 日時:3月8日(日曜日) 14時〜 場所:早稲田大学戸山キャンパス 39号館 第5会議室 地図:http://www.waseda.jp/bun/map/※休日に会場の早稲田大学戸山キャンパス…

「孤独と貧困」再び

私は以前ドイツで公開された『Sommer vorm Balkon』という映画を見た際に、「孤独と貧困」という日記を書いたことがあります。これは、現代ドイツでも近世の都市でも、貧困に落ちる人々の多くが家族などの安定した人間関係を持っておらず、社会的に孤立して…

面白そうな文献

Sylvia Brown(ed.), Women, Gender and Radical Religion in Early Modern Europe, 2008.(目次) Gary K. Waite. Eradicating the Devil's Minions: Anabaptists and Witches in Reformation Europe, 1525–1600. Buffalo, N.Y.: University of Toronto Press.…

第二回再洗礼派勉強会のお知らせ

3月に第一回目を行って思わぬ盛り上がりを見せた再洗礼派勉強会ですが、10月3日に第二回を開催します。 日時:10月3日(金曜日) 14時〜 場所:早稲田大学28号館 301会議室 地図:http://www.wue.jp/company/map.htm 再洗礼派勉強会は、16世紀宗…

Doopsgezinde Bijdragen 2007

オランダの再洗礼派専門の学術雑誌「Doopsgezinde Bijdragen」の目次が、「doopsgezinde historische kring」に掲載されていました。 Inhoudsopgave DB 33 (2007) Jelle Bosma, Redactioneel (7-9) Marius Romein, Hoe gebruikte Menno het Oude Testamen? (…

Els Kloek

ユトレヒト大学のEls Kloek さんは、オランダ近世の女性史を専門にしていると言うことで、面白そうな論文を色々と書いているようです。 'The Dutch case: a critical survey of the history of childhood in the early modern age, especially in the Nether…

再洗礼派図書館「フリードマン榊原ライブラリ」見学レポート

方南町にあるメノー派教会には、「フリードマン榊原ライブラリ」が併設されています。これは、アメリカのメノー派研究者であったロバート・フリードマンから寄贈された蔵書と日本の再洗礼派研究者であった榊原厳の蔵書を集めた図書館です。おそらく、日本で…

STELLET LICHT / LUZ SILENCIOSA

メキシコ人の新鋭監督カルロス・レイガダスの『沈黙の光』では、メンノー派の村が舞台になっているようです。Stellet Licht 公式サイト

Hans-Jürgen Goertz, Radikalität der Reformation. Aufsätze und Abhandlungen

宗教改革急進派研究の碩学ハンス−ユルゲン・ゲルツの論文集が出たそうです。既読の論文も多そうですが、重要論文が並んでいるので、再洗礼派研究者にはマストなアイテムですね。 Hans-Jürgen Goertz Radikalität der Reformation Aufsätze und AbhandlungenF…