ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

再洗礼派

永本哲也『ミュンスター宗教改革ー1525~34年反教権主義的騒擾、宗教改革・再洗礼派運動の全体像ー』発売

私の初の単著、『ミュンスター宗教改革ー1525~34年反教権主義的騒擾、宗教改革・再洗礼派運動の全体像ー』が、東北大学出版会から出版されました。ミュンスター宗教改革を扱った日本ではじめての研究書になります。日本でも倉塚平先生が『政経論叢』に連載し…

多宗派併存都市ノイヴィートでの調査

私は2月26日から3月10日までドイツ西部ライン川沿いの都市ノイヴィートで史料調査を行っていました。今回の調査の目的は、近世ノイヴィートに関する史資料の閲覧・入手です。ノイヴィートは人口6万5千人の小都市で、はじめて都市名を聞いたという人も多いか…

日本語の再洗礼派・宗教改革少数派文献リスト

少し前に、共編著『旅する教会 再洗礼派と宗教改革』を出版しました。この本は、16世紀から現代にかけての再洗礼派の歴史を概観したものです。この本には、各章に註のかたちで参考文献がつけてありますが、基本的に、各著者が自分が直接参考にした文献を紹介…

編著書『旅する教会 再洗礼派と宗教改革』が出版されます

私が他の方々といっしょに編集・執筆した『旅する教会 再洗礼派と宗教改革』という本が1月25日に新教出版社から出版されます。この本は、再洗礼派の歴史をその誕生から現代までたどったものです。一冊で約500年の再洗礼派の歴史を駆け抜ける、疾走感あふれる…

公開シンポジウム「宗教改革の伝播とトランス・ナショナルな衝撃―宗教改革500周年にむけて」

しばらく前だが、6月20日に立教大学で開かれた「宗教改革の伝播とトランス・ナショナルな衝撃―宗教改革500周年にむけて」というシンポジウムに行ってきた。このシンポジウムは、ケネス・G・アッポルド 氏(プリンストン神学大学 ジェームス・ヘイスティング…

Kat Hill, Anabaptism and the World of Printing in Sixteenth-Century Germany

Past and Present (2015) 226 (1): 79-114 first published online January 6, 2015 再洗礼派と16世紀ドイツの印刷の関わりを使った論文らしい。読まねば。 http://past.oxfordjournals.org/content/226/1/79.short?rss=1

メノー派と戦争とナチス

19世紀になるとドイツのメノー派は愛国的になってきて、多くの者が国家のための戦争を肯定し、兵役に就くことに抵抗感を感じなくなってきたようだ。さらには、ヒトラーやナチスを支持する者もいたそうだ。メノー派と戦争やナチスとの関係については、少し調…

第16回再洗礼派勉強会 9月15日(月)

第16回再洗礼派勉強会 日時:2014年9月15日(月)13時〜 場所:早稲田大学戸山キャンパス36号館3703教室 地図:http://www.waseda.jp/jp/campus/toyama.html *13時に戸山キャンパス正門入り口に集合。(祝日で構内に自由に入れないため) *参加希…

世界中に広がるメノナイト「Global Mennonite History Series」

現在私は他の若手研究者といっしょに、新教出版社の雑誌『福音と世界』で、「旅する教会―再洗礼派と宗教改革」という連載をやっています。私の専門は16世紀のミュンスター再洗礼派運動ですので、初期の再洗礼派についてはそれなりに文献を読んでいました。し…

シュヴァルツェナウの新洗礼派と再洗礼派

ハンス・シュナイダー著、芝田豊彦訳『ドイツにおけるラディカルな敬虔主義』関西大学出版会、2013年 この本によれば敬虔主義の中にも、信仰洗礼を行う新洗礼派(Church of the Brethren)という集団があったそうだ。(104-111頁)ヴィトゲンシュタイン伯領…

再洗礼派の中のアウグスティヌス的伝統

東方正教から見れば、カトリックもプロテスタントも共にアウグスティヌス的伝統を引き継いでいるのならば、果たして西方の再洗礼派にとってアウグスティヌスの神学はどのような意味を持つだろうか。ロバート・フリードマン著、榊原巌訳『アナバプティズムの…

第15回再洗礼派勉強会 2014年1月11日(土)

第15回再洗礼派勉強会日時:2014年1月11日(土)13時〜 場所:早稲田大学戸山キャンパス36号館3811教室 地図:http://www.waseda.jp/jp/campus/toyama.html 内容予定 ・読書会:オランダとミュンスターの再洗礼派:Chapter Six. Klötzer, Ralf, The …

第14回再洗礼派勉強会 2013年1月13日(日)13時〜

第14回再洗礼派勉強会日時:2013年1月13日(日)13時〜 場所:早稲田大学早稲田キャンパス14号館804会議室 地図:http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html 内容予定 津田真奈美「バプテスト成立における“The Engaged Piety”」(仮) 読書会:…

第13回再洗礼派勉強会 8月18日(土)13時〜

第13回再洗礼派勉強会 日時:2012年8月18日(土)13時〜 場所:早稲田大学早稲田キャンパス14号館804会議室 地図:http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html 内容予定 猪刈由紀「God/Gottをどう日本語に訳すか―K.ギュツラフ(1803-1851)とB.ベ…

2012年1月9日 第11回再洗礼派勉強会 於:早稲田大学早稲田キャンパス

第11回再洗礼派勉強会 日時:2012年1月9日(月) 場所:早稲田大学早稲田キャンパス14号館803会議室 地図:http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html 内容予定 ・読書会:「モラヴィアとシュレジアの再洗礼派」 Chapter Five. Martin Rothkegel, …

フッタライト研究

16世紀のフッター派について論文を書いたのは近年では滝口克典さんだけのようですが、現代のフッター派については、三人の方が活発に研究されているようです。一人目は、帝塚山大学の小坂幸三先生です。先生は、フッタライト、アーミッシュ、メノナイトなど…

滝口克典「16世紀後半におけるフッター派の「良き秩序」構想」

山形大学歴史・地理・人類学論集 no.1に掲載された滝口克典さんによるフッター派の論文「16世紀後半におけるフッター派の『良き秩序』構想」をPdfで読むことができます。http://repo.lib.yamagata-u.ac.jp/handle/123456789/491滝口さんは現在はフッター派研…