ミュンスター再洗礼派研究日誌

宗教改革の少数派である再洗礼派について紹介していきます。特に16世紀のミュンスターや低地地方の再洗礼派、17~18世紀のノイヴィートの宗教的寛容を研究中。

宗教

アメリカの無神論者グループ

「macska dot org」さんに、アメリカで最近ドーキンスやヒッチェンスらの論に影響されて、新しい無神論者のグループが出来ているという記事がありました。このようなグループが今アメリカでどの程度の勢力を持っているのかはこの記事からは不明ですが、無神…

アメリカプロテスタントの衰退

◎米プロテスタントがヒスパニック系移民の急増で過半数割れ目前 【CJC=東京】米国民の約8割を占めるキリスト者のうち、白人信者を中心に多数派を維持してきたプロテスタントの比率が過半数割れ目前にまで下がったことが、『米宗教概観調査』2008年…

創造説専門の学術雑誌「アンサーズ・リサーチ・ジャーナル」

創造説の立場に立った学術論文を集めた査読誌が創刊されたそうです。 【CJC=東京】米国の『アンサー・イン・ジェネシス』が、創造論に関するオンライン専門誌『アンサーズ・リサーチ・ジャーナル』(ARJ)を創刊、1月にインターネット上に登場した。…

ドイツで『サイエントロジー教会』禁止の動き

【CJC=東京】米国で生まれた『サイエントロジー教会』を宗教団体とは認めない動きがドイツで出ている。人権を侵害する集団だとして、ハンブルグ公安当局が禁止に動いている。このほど開かれた公安当局の会合で提議されたことが 12月3日明らかになった…

主要イスラム教学者138人、キリスト者に宛て声明発表続報

昨日紹介したイスラム教学者の声明の件ですが、id:itunalilyさんが、この件についてコメントを行い、「Herald」による記事と手紙の概要を紹介しています。 ただし、私見を言い添えると、この内容は、失礼ながら、特に新奇性のあるものでもありません。実は、…

主要イスラム教学者138人、キリスト者に宛て声明発表

【CJC=東京】主要なイスラム教学者138人が、世界中のキリスト者に宛てた声明「私たちとあなた方の間の共通の言葉」を10月11日発表した。声明の日付になっている13日はイスラム教徒の断食月のラマダン明けの祭りを控えてのもの。(中略) 声明は…

「共和党の時代はなぜ終わる」

Gooニュースで、フィナンシャル・タイムズの「共和党の時代はなぜ終わる」という記事が紹介されていました。共和党が衰退すると同様に、宗教右派の力も弱まっているようです。 しかし今や宗教右派のキリスト教連合は分裂し始めている。これは民主党にとって…

ケルンの大モスク建設計画をめぐり論争勃発

【8月6日 AFP】ドイツ西部の都市ケルン(Cologne)に欧州最大のモスク(イスラム礼拝所)を建設する計画が持ち上がり、キリスト教関係者と極右の一部から「イスラム系住民がその強大さを誇示するためのもの」と強い反対の声が上がっている。(中略) 問題の…

南山大学宗教文化研究所「科学・こころ・宗教」

「pensie_log」さん経由で、南山大学宗教文化研究所の「科学・こころ・宗教」というプロジェクトを知りました。 プロジェクトの趣旨 Focus現代日本社会において、科学は多大な影響と役割をはたしている。しかし、人間は理性と合理性のみによって生きているの…

ヴェーバーの宗教社会学に関するテクストが無料で読める。

マックス・ヴェーバーの『プロ倫』などの宗教社会学の著作がインターネットで公開されていました。ドイツ語と英語両方あります。 Max Weber, Ausgewählte Schriften. Potsdamer Internet-Ausgabe (PIA) Weberian Sociology of Religion

宗教市場理論の射程 : 世俗化論争の新たな一局面

社会学評論 Japanese sociological review, Vol.53, No.2(20020930) pp. 230-246 日本社会学会 ISSN:00215414宗教市場理論の射程 : 世俗化論争の新たな一局面 The Prospect of Theory of Religious Markets : A New Aspect in the Secularization Debate沼尻…

宗教の合理的選択理論

宗教社会学で、宗教の合理選択理論なるものがあるそうです。住家氏の批判的な論文で知ったせいもあり、彼らがクルーグマンが徹底的に馬鹿にしているというサプライサイド経済学に影響を受けていると読んだせいでもあり、アメリカローカルなバイアスが掛かり…

「宗教研究」の論文が無料公開

日本宗教学会が発行している学術雑誌「宗教研究」が、CiNii で無料で公開されています。そのため、読みたい論文を、pdf ファイルで気軽に読むことが出来ます。個人的には、これらの論文や報告が面白そうだと思いました。 住家 正芳「宗教社会学理論における…

ベネディクト16世とブラジルのカトリック

南米のカトリック教会は、解放の神学の影響を大きく受けており、バチカンとは緊張状態にあるようですが、先日教皇ベネディクト16世がブラジルを訪れたときも、相互の考えの不一致が見られたようです。 ◎教皇、ブラジル訪問終える=共産主義と資本主義に警…

ドイツの11教派が相互に洗礼認める

【CJC=東京】ドイツのカトリック、正教会、東方正統教会、聖公会(英国国教会)などキリスト教11教派がそれぞれの洗礼を正式に認めることで合意が成立、共同宣言が作成された。正教会、東方正統教会、聖公会(英国国教会)も入っており、エキュメニカ…

フィリピンのCutud で聖金曜日にキリストが磔にされる。

マニラから北に95キロの場所にあるCutud という小さな村で、聖金曜日 Karfreitag に、7人の男性がキリストとして磔にされるそうです。磔にされるといっても、実際に手と足に釘を打ち付けるという恐ろしいものです。大怪我にならないように、手足を帯で十…

全米キリスト教基金、寄付累計が20億ドルに

毎年急成長を遂げている米国の慈善団体「全米キリスト教基金(NCF、National Christian Foundation)」は3日、82年の設立以来全米29の支部で集められた寄付金の累計額が今年の第一四半期で20億ドルを超え、資産総額が10億ドルに達したことを発表し…

「Newsweek」のアメリカ人の宗教意識調査

また、「G★RDIAS」さんで、「Newsweek」のアメリカ人の宗教意識に関する調査が紹介されていました。(リンク) ・アメリカの成人の10人に9人(約91%)が神を信じ、そのほとんど(87%)が、特定の宗教に属している。キリスト教徒が82%。そ…

神の存在・死後の世界に対する見方55カ国比較

「社会実情データ図録」さんで、「神の存在・死後の世界に対する見方」に関するデータが紹介されていました。(リンク)それによると、日本の特徴は以下のようなものだそうです。 日本は、ベトナム、チェコと並んで、神の存在を信じない人の多い国であるが、…

カトリックの司祭が、イスラム教徒のモスクのために献金を集める。

ケルンの聖テオドール教会 St. Theodorの司祭フランツ・モイラーさん Franz Meurer が、何と同じ地区に住むムスリムのためにモスクを建てようと教会で献金を集めたそうです。元々このアイデアは、このモイラーさん本人のものではなく、聖テオドール小教区 St…

ロワイヤルとハーバマスとベネディクト16世

猫屋さんが、次期大統領候補のセゴレンヌ・ロワイヤルが、ル・モンドのインタビューで、ローマ教皇の失言についてコメントしている部分を翻訳して下さっています。 ヨーロッパに関していえば、キリスト教がその長い歴史にあたえた影響を認識することと、ヨー…

殉教者とセンチネル

自らの信仰を貫いて死んだ殉教者、国のために戦い死んだ兵士、歴史を守るために命を顧みなかったオハラの学者たち*1 など、理念や他人のために身を投じるという自己犠牲を、我々が崇高だと感じ、それを行う者の姿に感動を覚えるのは何故でしょうか。人間が社…

仙台の殉教者

仙台の広瀬川にかかる大橋の近くに、伊達政宗の時代に殉教したキリスト教徒の像があります。*1 仙台藩主、伊達政宗の時代のことである。徳川幕府のキリシタン弾圧によって、仙台藩に囚われの身となっていたカルワリオ神父ら9人は、元和9年も押し迫った大晦…

ダーウィンと現代カトリック教会

1997年に開催された「キリスト教と文化研究所・科学史フォーラム」で、キリスト教と文化研究所 研究員 藤井清久氏が行った「ダーウィンと現代カトリック教会」という講演では、カトリック教会の進化論に対する態度が概観されています。 1 『種の起源』…

世俗化のパラドックス、あるいはブッシュとブレア(とアル・カイーダ)の宗教

Living, Loving, Thinkingさんのところで、International Herald Tribune の「The twisted religion of Blair and Bush」(Phillip Blond and Adrian Pabst International Herald Tribune FRIDAY, MARCH 10, 2006) という記事が紹介されていました。 さらに、…

上祐史浩氏の考えの変化

オウム事件で一世を風靡した上祐史浩氏が、オウム真理教の後継教団アーレフを離れるという報道は、皆様御存知のことと思いますが、その上祐氏がオフィシャルサイトを作っています。そこで、雑誌のインタビューが再録されており、彼のオウム事件後の心境につ…

保守主義の歴史とリベラルの失敗

南山大学社会倫理研究所の2004年度第5回懇話会で、中山俊宏氏が「アメリカが保守化した背景およびその外交的インプリケーション」という講演をしたそうです。この講演では、戦後のアメリカの保守主義の歴史が俯瞰されています。 ここで時代をさかのぼって、…

アメリカファンダメンタリズムと「包囲された伝統」

私が、ドーキンスの『The God Delusion』で良く分からないと思ったのは、ドーキンスの宗教に対する強い危機感です。宗教の力がまだ強固な、世俗化がそれほど進んでいない国ならともかく、現在の日本やヨーロッパ諸国で宗教が社会を揺るがすような危険性を持…

対立するのは科学と宗教ではなく、正統宗教とオカルト+科学

実はこういう心霊主義のようなものは、アメリカには植民地時代からわりと多くて、それは定期的に起こる信仰復興運動とは、また別の位相のものとしてずっと存在してきた。理由はよく分からないが、一つ考えられるのは、アメリカにはヨーロッパにおけるような…

ドーキンスの『The God Delusion』の読書ノート

id:shorebird さんが、長らく連載されていたリチャード・ドーキンスの『The God Delusion』の読書ノートがついに完結しました。ノートだけでかなり膨大な量になっています。(私がまとめたリンク)個人的に最も興味深いと思ったのは、やはりドーキンスが専門…